今度は指にして？ 2【arym】

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有岡side


お皿のいちごが半分くらいになったとき

山「そういえば、光くんなんか言ってた？」

え？

有「なんで光くん？なんにも言ってなかったけど」




忘れかけていた山田と光くんの嫌な記憶が蘇る







そんなに光くんのことが気になる？


山「そっか」

そんなに嬉しそうに微笑むほどに




さっきまでの楽しくて幸せな気分は


山田の一言であっという間に消え去った





代わりに心を支配するのは



真っ黒くてもやもやした感情









このまえのことが気になるなら聞けばいいのに聞けない自分に嫌気がさす



怖いんだ



山田と光くんの関係を明らかにするのが





山田のことが本気で好きだから





山「なんにも言ってなかったらそれでいいの、ごめんね変なこと聞いて」


なに、それ



有「なんのこと？それ」

山「ほんとになんでもないよ、気にしないで」



光くんには言えて俺には言えないことなの？



俺は山田にとってその程度の存在なの？






縮まったと思っていた山田との距離が

どんどん離れていく気がした





有「そっか」



俺は今ちゃんと笑えているだろうか



苦しい
情けない




山田が誰かのことを想う顔を見るのが


山田に思いをぶつけられない自分が






たった一言


その一言が言えないだけで

こんなにも俺とおまえの距離は遠いんだということを自覚してしまう

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