今度は指にして？ 2【arym】

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有岡side


山田と教室へ戻ってきた

当たり前だけどみんな文化祭をまわっているから人なんていない


山「大ちゃん、楽しかった？文化祭」

隣に座って山田がこてんと首を傾げる

有「もちろん、山田とまわれたし！最っ高に楽しかったよ？」




でも

自分のことなんてどーだっていいんだ


たったひとつ願うのは


有「山田は？
山田は、楽しかった？」





山田が楽しかったかどうか


山「うん！とっても楽しかった！！」




にこっと笑う山田は、夕日に照らされてとても可愛かった


あのね、と言って山田は俺をみつめる

山「俺、こんな見た目だし人見知りだしで、知念以外に友達とかできたことなかったんだ」


カタンと音を立てて席を立つ山田


そのまままっすぐ窓へ向かって歩いていく


山「だから、高校に入って大ちゃんと友達になれてほんとに嬉しかったの。
初めて、見た目で判断しない人に出会えたから」


そういう山田の顔は

嬉しさと寂しさが混ざって感情をうまく読み取れなかった


山「ほんとにありがとう、大ちゃん」


柔らかい声
ふわふわの肌
親しい人にだけ見せるくしゅっとした笑顔


その全てを愛おしく思う





やっぱり自分の気持ちに嘘なんて

つけっこないや

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