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有岡side
そんなことがあったんだ……
山田の暗い過去を知った俺は、同じく暗い気持ちになった
自分の姿を変えて、知り合いがいない高校を選ぶ
人見知りの山田だったら考えられないことだけど、
よほどその事件に心を抉られたのだと、鈍い俺でもわかる
そりゃそうだ……
人間不信になったっておかしくない
知念に可愛いと言われる容姿を、全て覆い隠して生きてるなんて……
自分をさらけ出せないなんて
どれほど辛いだろう、苦しいだろう
知「なんでこの話を大ちゃんにしたかっていうとね……、」
話し終えたあとずっと黙っていた知念が口を開く
知「大ちゃんに、涼介を守ってもらいたいんだ」
有「え?」
思わず聞き返す
知「いまさっきのでわかると思うけど、たぶん僕らの高校はバレてるんだと思う。
あいつらがまだ涼介のことを狙っているなら、乗り込んでくるのは一般の人が多く入ってくる文化祭だよ?」
有「!!」
知「やばいでしょ?文化祭は、僕とまわろうって言うつもりだったのかもしれないけど、涼介とまわってほしいの」
そんなチワワのような顔でみつめられたら俺が弱いってわかっててやってるんだろ!
知「お願い、大ちゃん!涼介を守りたいの、もう二度と……傷つけたくないの……っ!!」
頼み込む知念は必死で、本当に山田が大切なんだなと感じる
好きな人のお願いを無下にできるほど俺だって鬼ではないし
むしろ、山田が心配だから
有「うん、わかった。
山田には俺から伝えておく、アイツらのことは言わないほうがいいよね……?」
知「うん、言ったらパニックになっちゃうと思う」
わかった、ともう一度こくんと小さく頷く
知念とふたりっきりで文化祭をまわれないんだ、というのは残念なはずなのに
なんだか、山田が危ないならしかたない、と
山田が危ない目に遭うかもしれないなら、俺が守りたいって
そう思ってしまっている俺
……この気持ちはなんなんだ?
俺が好きなのは……
誰?
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作者名:海月 | 作成日時:2019年10月10日 18時