今度は指にして？【arym】 (ページ21)

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知念side

山「........知念、足怪我してるでしょ」

知「っ！！！」

山「他のみんなには隠せても俺には隠せないよ、隠さないでよ........！！！」

やっぱり、涼介にはバレちゃうか

知「うん、足くじいちゃったみたい」

そう言うと、涼介の顔が歪んだ

知「はは、僕、運動神経いいんだけどね。なんでうまく着地できなかったのかなぁ」

なんて力なく笑う

すると

山「気にすんな、誰も責めないから。役降板したって誰も怒らない」

そう言って涼介は僕の目を真っ直ぐみつめる

山「って言おうと思ったけど、知念のことだから周りの人に気を使って言えないんでしょ？」

そーゆーとこ、ほんとにお人好しだと思う、なんて言いながら僕を椅子に座らせて

救急箱を持ってきて、手当ての準備を始める涼介

山「ほんとは心配だから出したくないんだけど........、知念の決めることだから」

僕の足に包帯を巻きながら話す涼介

僕は涼介のつむじをずっとみつめていた

足の痛みは結構、痛い

けど出ないと周りが責任感じてしまう
それに誰が代役になる？

僕は仮にも主演だし、セリフ量も膨大だ

その量を今誰かに引き渡して、その誰かが覚えられるとは思えない

考え込んだ僕を心配したのか、知念？と覗き込んでくる涼介

........！！！

涼介！涼介がいる！！

大ちゃんの練習に付き合っていたっていうのは彼から聞いて知っている

それならセリフもだいたい覚えただろう

それに涼介の容姿なら僕にだって引けをとらないくらい可愛い←

しかも！！相手役はあの大ちゃん

これは涼介にとって願ったり叶ったりのことじゃない！？

........いや。だめだ

またあんなことになったら涼介の心に傷を負わせてしまう

そうならないために僕は高校まで着いてきたのに........！！！！

山「いーよ、知念がそれを望むんなら俺やるよ？」
知「へ？」
山「声ダダ漏れだよ、知念。笑」

え！？

山「知念が俺を代役にたてたいって思うんなら俺やるよ、知念のためになるなら........！」

知「だっ........だめ！！！ばかりょーすけ！なに言ってんの！またあんなことになったらどうするの！？」

ごんっ！！！！！

と涼介の頭にゲンコツをお見舞いして、僕はやっと正気になった

やっぱり代役たてるのはなし！

知「足くじいたってみんなに言う、だから涼介サポートしてくれない？」

そう言うとにこっと満足そうに笑う涼介
山「分かった、無理だけはしないでね？」