恋すればもっと【arym】 (ページ21)

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聞けば、だいちゃんも自分のWebでこの間買ったマグカップの写真を載せたらしい。しかも、1つじゃなくて2つセットの写真。

「なんで2つの方をあげちゃったの」
「いや、全然意識してなかったんだよ。お揃いのマグカップいいなって思って撮っただけの写真に、そんな意図なかったんだってまじで」
「そりゃそうだ。俺の文も悪かったかも」

俺がSNSに投稿したのは、プライベートで出かけたってことだけ。つまり、だいちゃんとお揃いのマグカップを持ってるのはプライベートの話になってしまう。
ロケ先で買ったとかの言い訳もできないや、これじゃあ。

「これ、事務所に怒られるやつ？」
「さすがに俺ら2人の件で怒られることはないだろ」
「だよね、、それにしてもファンってよく見てるんだね」
「すごいよな、付き合ってることももしかしてもうバレてるんじゃ…」
「いや、まさかそんな、ははは…。」

俺らは2人して電話口で頭を抱えたのだった……。

「中々騒がれてたね、涼介」

久しぶりに仕事場で会った知念が、呆れたようにそう言った。俺とだいちゃんの仲は言ってないけど、ここまで来たらメンバーにはバレてるのではないかとヒヤヒヤする。

「まさか揃いのカップだけであんなに騒がれるとは思わなかった…」

「？それだけじゃないよ」

「え？」

目を丸くさせた俺に、知念はスマホの画面を見せてくれる。それは俺が投稿した写真の1枚、俺のソロショット。

これがどうしたんだ？

まじまじ見ても、特段おかしいことはない気がする。

「これが何？」
「気づかないの？」

今度はファンの子がその写真をアップにした投稿を見せてくる知念。知念の指が、ここ、と俺の目元を指している。

……サングラスをかけた俺の目元になにかついてる？

「あっ！？」

俺のサングラスには反射で、だいちゃんらしき人が写っていた。よく見ないと分からないし、見えても確実にだいちゃんとは分からないけど。
ただ、フォルムがギリギリ分かるから、推測は立てられる。そこにマグカップの件が加われば、俺らが一緒にいたのではないかと騒がれても無理はなかった。

「まじ、そんなとこまで見られてんの、、」

「みたいだね、ファンって凄いよ」

自分でも意識してなかった部分まで見られてることを知った俺は、思わぬ形で匂わせをしていたことにこの時気づいたのだった。

……だいちゃんと付き合ってるのはさすがにバレてないよね、まさか、ね。