おてて繋いで踊りましょ ページ14
ym side
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MCのあとは、BESTと7のコーナー。
それが終われば、俺とだいちゃんで踊る、あの曲。
ペア決めの時はそりゃあもう、ドキドキしっぱなしだった。
ライブ中だったらいくらでも絡めるけど、この曲は合法で手まで繋げるし、どれだけ近寄ったって振り付けの一環なわけで。
こんな大役、絶対に他のメンバーに譲るわけにはいかない、じっちゃんの名にかけて！
そんなこんなで掴んだ俺とだいちゃんのペア。
振り入れの時からリハから本番まで、なにからなにまで楽しくて、最終日、終わってしまうのが悲しかった。
アヒルを持って、MCに戻ろうとすると、だいちゃんが俺の肩を叩く。
「なぁ、最終日だしさアピールしない？」
「アピール？」
問えば、だいちゃんの提案はこうだった。
だいちゃんも俺と同じようにこの曲を楽しみにしていて、ライブDVDとして残るのも嬉しい。でも、それが手元に届くまでには少し時間がかかる。だから、いのおちゃん発案のライブフォト専用のカメラにアピールして、DVDより早く手に入る写真として残してもらおうという作戦だ。
なんて頭いいんだ、だいちゃん
「だいちゃんてば天才！」
思わず抱きつくと、
「おわっ、やまだアヒル落ちちゃうからっ」
なんて言いながらも、片手で俺を抱き締め返して、照れくさそうに笑う。
俺は最終日の寂しさなんて忘れて、いかにだいちゃんとのツーショットを合法的に残すか、という作戦のために笑顔で全力で踊った。
思わずだいちゃんと繋いでる手に力がこもっちゃったけど、だいちゃんは俺に微笑んでくれた。
後日、出来上がった写真を見せてもらった時、だいちゃんの作戦通り俺らのダンスの写真があったことに、俺とだいちゃんは目を合わせて笑いあった。
「やったね、だいちゃん」
「やまだ、めちゃくちゃ笑顔で可愛いな」
「んふ、だいちゃんと踊るの楽しかったんだもん」
「あー、かわい」
ちなみに、俺は個人的にその写真を買い取ってクリアファイルに保存している。
恥ずかしいから、何枚も買ったことはだいちゃんには内緒だけどね！
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作者名：海月 | 作成日時：2024年4月2日 1時
