苦くて甘い 甘くて苦い【JUMP×ym】

＊ ページ35

大貴side



俺の下で汚い声で喘ぐ女。



名前なんて知らないし、知ろうとも思わない。






……俺の中にはもうずっと、あいつしかいないから。








冷めた目線で見下ろしてやれば、締め付けがよくなって。



うっとりとした瞳でこちらを見る。



そんな様子に吐き気がする。




……だけど、それは、あいつ以上の相手なんて見つかるはずはないと思いながらも、性懲りもなくこんなことを続けている自分への吐き気なのかもしれない。




どく…っ、と溢れ出した熱。



目の前で荒く息継ぎをする女に服を投げ、帰るよう催促して。





また誘ってね？と首を傾げる様子は、他の男から見たらとても可愛いんだろう。





だけど、俺には、また、はないから。






あいつ以上の相手じゃないと分かったら、もう誘う必要なんてないし、誘われて行く意味もない。





……また、だめだったな。




とん…っ、と背中を壁に押し付けると隣の部屋から聞こえてくる微かな音。






控えめだけど、熱く乱れた吐息が耳に届く。





大「…は、…っ、くそ…っ！」




出したばっかだと言うのに、既に熱を持ち始めているモノ。





あいつの小さな声を聞いて、こんな風に興奮する自分に心底呆れる。





今だって軽蔑されてんのに、こんなとこ見られたらただじゃ済まない。







……………だけど。





涼「……にいちゃぁ…っ！」







小さいその声を聞く度に、同じ気持ちなんじゃないか
期待してしまっているんだ。








fin.

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