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「お風呂上がったよ。」
中也さんはおー、と適当に返事をするだけで、手元の書類を真剣に読んでいた。
「お湯、冷めるよ?」
私が近づけば、中也さんはやっとこちらを向いてくれた。
「また乾かしてねェのか。」
「面倒臭いから。」
中也さんは待ってろ、と洗面所に行くと、ドライヤーを持って戻って来た。
丁寧に乾かしてくれるあたり、優しい人だなぁと感心する。
「終わり。」
「軽く結って下さーい。」
ヘアゴムを渡すと数秒で終わらせてくれた。
その女子力はどうやって身につけたんだろう…
「喉乾いたな。中也さん何か飲む?」
「珈琲。」
私はキッチンに行き珈琲を作りながら、また書類に目を通す中也さんを見ていた。
__莫迦真面目か。
兄が家に帰って仕事してた事なんてあったっけ?
思い出そうとしたが私と兄は喧嘩中。内容が理不尽だった事しか思い出せない。
向こうが謝るまでは絶対に帰らない。そう決めて家出をしたんだ。
珈琲を作り終わり、中也さんの前にカップを置く。
中也さんはカップを手に取り珈琲を口にする寸前で私に聞いてきた。
「何も入れてねェだろうな。」
「入れといた方がよかった?」
「巫山戯んな。」
とりあえず安心した様で、珈琲を啜った。
「甘過ぎだろこれ!?」
「入れてないとは云ってないもん。」
青筋を浮かべて怒る中也さん。
「背が縮むよ。」
「身長の事ばっかりか!?」
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フューズ(プロフ) - 恋する中也さんがめっちゃ可愛いです!これからも更新頑張って下さい! (2018年3月8日 23時) (レス) id: 533c8db921 (このIDを非表示/違反報告)
太宰中也 - 読むの楽しいです!頑張ってください! (2018年3月7日 20時) (レス) id: 73affc4735 (このIDを非表示/違反報告)
ともか(プロフ) - 続編おめでとうございます! また読めるとなりとても嬉しいです! (2018年3月7日 12時) (レス) id: 80eb368801 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - 続編おめでとうございます!完結したのかと思ってたんですが……続きがあるなんて……!これからも頑張ってください! (2018年3月7日 7時) (レス) id: 198a7174c6 (このIDを非表示/違反報告)
ネイラ(プロフ) - 続編おめでとうございます!更新される度に読ませていただきました!とても面白いです。これからも頑張ってください(*^^*) (2018年3月7日 7時) (レス) id: 21338af0ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にちか | 作成日時:2018年3月7日 1時