太宰(妹)に恋した中原幹部。【文スト】

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「中也、さん…？」


腕の中から抜け出そうと躰をよじらせるが、逃がすまいと抱き締める力を強くした。


後悔するより、今伝えてしまえ…


「A。好きだ。」


大きな瞳を更に大きくしたA。


その反応も…何もかもが愛おしい。


Aは優しい。だけど今はその優しさを見せないでほしい。


俺を傷つけない様に振るなんて考えずに、一層の事嫌いだと突き放してくれ。


そうすれば俺は、手前と手前の好きな奴の幸せを願ってやるから…


なのに


「何でそんな顔するんだよ…」


Aの大きな瞳から零れ落ちた涙。


「…だって…中也さんの事……好き、だから…！」


泣きじゃくりながらも言葉を紡いでくれたA。


え？


__嘘だろ…


「なぁ、もう1回頼む。」


それが嘘じゃないなら、もう1度聞かせてくれ。


「だから…好き…なんですっ…」


俺はAを強く抱き締め直した。


「……俺と、付き合ってくれますか？」


それから、腕を少し緩めてAのその綺麗な瞳を捕らえて云った。


「はいっ…！」


Aは涙を流しながらも、今までで1番の笑顔でそう云ってくれた。

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