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__衝動的に。
この表現は間違っていないと思う。気がついたらここに来ていた。
自分に証明したかったのかもしれない。
こいつの過去を知って、それでも俺はこいつの事を好きでいられると。
「中也さんは、相手の事を好きだと感じる時がありますか?」
「…まぁ、な。」
Aは悪戯っ子の様に無邪気な笑顔を浮かべた。
それから、どこか哀しげに揺れる瞳で俺に云った。
「私、恋がなんなのかわかりました。」
__Aは恋愛というものをわかっていない。
太宰の言葉を思い出した。
詰まり、
「好きな人ができたのか…」
喪失感だけでは表せない、何とも云えないこの感情を“失恋”と呼ぶのか…
「中也さんも居るんですよね。恋話でもしちゃいますか?」
俺が返事をするより先に、Aは話を始めた。
そんな所は太宰に似てンな。
「その人の笑顔が素敵、声が綺麗だとか。そういうのを全部ひっくるめて“好き”なんだってわかりました。
中也さんは相手のどんな所が好きなんですか?」
__その笑顔が好き。
「シラフで無理ならお酒飲みます?私も飲んでるし。」
__優しい所が好き。
「おーい、中也さん?」
__人の好意に鈍感な所も……全部好き。
「…へ……?」
俺は“衝動的”にAを抱き寄せた。
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雫(プロフ) - 完結おめでとうございます!中也さん……告白の2度目は駄目!夢主ちゃんが恥ずか死するでしょ!……二度目はなくってy(殴 (2018年3月6日 22時) (レス) id: 198a7174c6 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - 完結おめでとうございます、そしてお疲れ様でした。中也の一途な想いと太宰の妹思いにグッときました。 (2018年3月6日 22時) (レス) id: 4734fa3f05 (このIDを非表示/違反報告)
あゆめ - 凄い!すっごく面白かったです!!太宰さんと中也が特に好きなのでサイコーです!!!!!これからも楽しんで書いてくださいね!楽しみにしてます! (2018年3月6日 18時) (レス) id: 3a15ce23fb (このIDを非表示/違反報告)
ハニトン!(別垢)(プロフ) - え…?神……? (2018年3月5日 3時) (レス) id: baf5146a2f (このIDを非表示/違反報告)
にちか(プロフ) - すーがくさん» ありがとうございます! 早くも半分を過ぎましたが、続編も考えておりますので、これからもよろしくお願いします!! (2018年2月28日 20時) (レス) id: e7372affb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にちか x他1人 | 作成日時:2018年2月25日 20時