太宰(妹)に恋した中原幹部。【文スト】

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数日が経ち、私はいつも通り平和な日々を過ごしていた…筈だった。


こんな事があってよいのだろうか。


事は数分前に遡る。


兄の職場の上司 江戸川乱歩さんの頼みで、ケーキの材料を買いに来ていた。


買い物に行きすぎでは？なんて愚問はしないでほしい。


ふと目に入った檸檬。香りもよくなるし、買っておくか。


そう思い檸檬を手に取った時だった。


「おや。そこの貴女。檸檬に興味があるので？」


__わ、私？


振り返ると白衣姿に下駄というなんとも不思議な格好の男性。


「別にそういう訳じゃ…」


「檸檬。ミカン科ミカン属の常緑低木、またはその果実。柑橘類のひとつであり、中でも主に酸味や香りを楽しむ、所謂香酸柑橘類に属する。日本には明治初期に米(アメリカ)から渡来したと云われている。主な成分としては、水分、炭水化物、ビタミンA…」


檸檬について熱く語りだした男性。


ちょっと待ってくれ。私と貴方は初対面ではないだろうか。


「君、名前は？」


「太宰…ですけど。」


男性は太宰ぃ？と復唱し、聞いた事のある名だなぁ、と云った。


「まぁ、いい。では太宰君。着いて来給え。」

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