15 ページ15
兄がお手洗いに行っている間、私はひとりベンチに座って待っていた。
__所詮、店員と客だしね。
兄の為に来たのにわざわざテンション下げる様な事はしてはいけないと考えるのをやめた。
「おねーさんっ。今ひとり?」
「俺らと遊ばね?」
__うわぁ。
声をかけてきた2人組の男。所謂ナンパってやつをされている。
「結構です。」
持ち前の度胸でお断りすれば、手を掴んできた。
「いいじゃん!そんな退屈そうな顔させないであげるから!」
「本当に結構ですので、手、離して下さい。」
「うちの妹に何か用かな?」
ハッと顔を上げると、マフィアの頃の様__表情だけで人を殺せそう__な兄が居た。
そんな兄にヒッ、と小さく悲鳴をあげて、男達は逃げて行った。
「有難う。扶かった。」
「いいかい、A。君は世界一美しいのだからもっと気をつけるんだ。」
そんな恥ずかしい事を素で云えるなと、呆れを通り越して尊敬しそうだ。
「私より綺麗な人は何億人も居るよ。」
「そんなところも可愛いのだけれど…」
何故溜息を吐かれなければならないのだ。私が吐きたいよ。
兄は私を立ち上がらせると、手を引いて歩き出した。
__何の罰ゲームだこれ。
「Aに悪い虫がつかないように、ね?」
有無を云わせない云い方に、私は肯くしかなかった。
「……ハイ。」
641人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雫(プロフ) - 完結おめでとうございます!中也さん……告白の2度目は駄目!夢主ちゃんが恥ずか死するでしょ!……二度目はなくってy(殴 (2018年3月6日 22時) (レス) id: 198a7174c6 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - 完結おめでとうございます、そしてお疲れ様でした。中也の一途な想いと太宰の妹思いにグッときました。 (2018年3月6日 22時) (レス) id: 4734fa3f05 (このIDを非表示/違反報告)
あゆめ - 凄い!すっごく面白かったです!!太宰さんと中也が特に好きなのでサイコーです!!!!!これからも楽しんで書いてくださいね!楽しみにしてます! (2018年3月6日 18時) (レス) id: 3a15ce23fb (このIDを非表示/違反報告)
ハニトン!(別垢)(プロフ) - え…?神……? (2018年3月5日 3時) (レス) id: baf5146a2f (このIDを非表示/違反報告)
にちか(プロフ) - すーがくさん» ありがとうございます! 早くも半分を過ぎましたが、続編も考えておりますので、これからもよろしくお願いします!! (2018年2月28日 20時) (レス) id: e7372affb6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:にちか x他1人 | 作成日時:2018年2月25日 20時