夜の水晶【文スト】【実況者】 (ページ5)

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まるでページ5

敦、谷崎兄妹は暫く他愛も無い話をしながら、ヨコハマの大通りを抜けた。

潮風が吹く丘の公園に彼女はいた。

「どうも。」

先程の服装に桃色の宝石が入ったネックレスを首からかけて。

「お待ちしていましたか？」

敦が声をかける。

「あっ、いえいえ！私も今来たところですので……。」

まるで逢引(デート)の待ち合わせみたいだ。

四人は自然と歩き出した。

花子を先頭にヨコハマのビル群の間を縫うように進んで行った。

「この辺りは本当に素晴らしいですよねぇ。」

「最近ここらで舞妓さんをよく見かけるンだよ。きっとそういう教室も新しく出来たンじゃないかな？」

「そうなんですか「わっ！」！？」

誰かにぶつかった。

敦とぶつかったのは話の内容にも出てきた噂の舞妓さんだった。
鮮やかな着物を着た女性の体が少しよろける。

「あああああぁぁぁごめんなさい！」

「いえいえ。ごめんなさいね〜！」

体制を立て直しぺこりと一言。それだけで舞妓さんは去っていった。

「綺麗な人だったなぁ……。」

「あら兄様？舞妓さんに、浮気、なんてしないですよね？」

「え、ちょナオミ？」

「うふふふふ♡後で覚えてていらっしゃって？」

兄様？

谷崎はこの世の終わりかと言うように青ざめた顔に変わった。

敦は何をするのでもなくただ同情と苦笑いを顔に浮かべていた。

着きました。

明るいような気まずいような理由の分からない雰囲気を破ったのは彼女の凛とした声だった。

3人が振り向くと小規模だが目を奪われるような綺麗なビルが聳え立っていて。

案内されたその１階に彼女の店はあった。