ねこ【爆豪勝己】 (ページ16)

今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:40,352 hit

きみに似たページ16

'

ゆっくりと目を開けた

黒いカーテンで締め切った部屋

耳をすませば雨の音が聞こえる

？「あ、起きた？」

全然起きないから心配しちゃった～なんて、手をヒラヒラ上にあげる、フードを深く被った男

「…エレイズ、」

エレ「あ、覚えてくれてるんだ？うっれしいな～！」

ペタペタ足の音を鳴らして、こちらに近づいてきた

人差し指で顎を持ち上げられる

「っ、さわん、ないで…！」

エレ「つれないな～目合わせないと記憶消せないじゃん」

「消されたくないから言ってんのよ…！」

今すぐ突き放したいが壁から出ている鎖に足も手をつながってしまっていた

されるがままに目を合わせる

エレ「…あーもう、なんで目瞑っちゃうかな～」

「…レストロはどこ行ったの」

エレ「捕まったよ、あいつトロいから」

「助けに行かないの」

エレ「“ 復元 ”なんて使えてなんの意味があるんだよ」

「…最低」

エレ「あは、言われ慣れてる」

ガシッと顔を鷲掴みされた

エレ「記憶消した時は素直に言うこと聞いてくれたのにな～！

なんで逃げたんだっけ、レストロ？」

「…ちがう」

エレ「何その間！いいよ別に、もうあいついないし

後ちょっとで完成すんのに、残念だよなぁ」

掴んでいた手を緩めて、優しく頬をなぞる
虫唾が走ったように鳥肌が立つが、動くことが出来ないため我慢するしかなかった

.

エレ「お前の血と涙で、不老不死の薬が完成すんのに！

それで俺は敵界の英雄になるんだよ！」

「…」

エレ「なあ？？さっさと記憶消すから目開けろよ？？それとも無理やり開けてやろうか？？なあ！！」

頬を撫でていた手は、やがて目を覆うように触る

狂ったように叫ぶエレイズに思わず笑みが零れた

エレ「はっ、気色悪。何笑ってんの」

「いやあ…随分と弱味噌な脳を持ってらっしゃるようで」

エレ「…は？」

「このご時世、ヒーローに勝てる敵なんている訳ねえんだよ！

たかがお前が生き残ったところで、お前が死柄木を超えることも出来ない

お前は一生弱小敵のまま！！！！」

口の悪さに思わず頬が緩んだ
ほんと、誰に似てきたんだか

近くにいただけでこうも変わるもんなの

エレ「…ころすぞ」

「かかってこいや、カス」

ゆっくりと目を開けようとしたその時

ボンッとでかい爆発音と共に、玄関のドアが開いた