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「…はじめくん来ないなぁ」
彼に出会って4度目の春が来た
13歳だった私は17歳になったし、はじめくんも18歳になったってこの前聞いた
もうお互い結婚できるね!駆け落ちしようか!なんて冗談めいた言葉をいえば困ったように笑う
わかってる、わかってるよ
身分違いの恋で叶わない恋だってことも分かってるし、知ってる
だけどこの4年間私は貴方を好きでいなくなる事なんて出来なかったよ
彼が来なくなって4ヶ月が経った
…今日も来ないか、と空を見上げる
岩泉「…よっ」
「…へっ、」
綺麗な青空にヒョイッと影ができる
私の顔を覗き込んだのは会いたくてたまらなかった人だった
この前より少し身長が伸びていてちょっとだけ大人っぽくなった気もする
「ひ、久しぶりだね…」
岩泉「ん、これやるよ」
ふわり、と頭に乗せられた何か
「…これはじめくんが作ったの?」
岩泉「地元のチビ達に作ってやってたから…いらなかったか?」
「ううん、ありがとう」
ゼラニウムの花かんむり
彼からの初めてのプレゼントだけど萎れちゃうのが悲しいな
なんて
贅沢言っちゃダメだよね
「…はじめくん、私、結婚するの」
岩泉「…あぁ、知ってる、だから」
だからこれが最後の、秘密の時間な
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作者名:イオリ | 作成日時:2020年7月24日 23時