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知られちゃった ページ33

赤葦「今の、どういう_____」



佳奈「そのまんまよ」



ギリッと私を睨んで、淡々と口を開く



佳奈「昔付き合ってた宮侑を事故らせて、侑くんは一部分の記憶を失ったし、バレーには響かないけど後遺症が残ったって優奈ちゃんから聞いた。

…この、犯罪者。」


臣「おい、それは、」


「……いいよ、臣。帰ろう?」


臣「でも、」


佳奈「逃げんの?」

「…」

佳奈「そうやってまた、逃げるんだ」


「……その妄想癖、どうにかした方がいいよ。

みんなドン引いてるから」


佳奈「は?」


「じゃあね」

臣「あ、おい!」


少し奥に居る侑に目をやると、パチッと視線が交わる
やっぱり、苦手だな、その目


ふいっと逸らして、その場から離れた





_____________



佐久早がAの後を追いかける

シーンと静まったままのその場所も、だんだん周りの人達が帰っていくせいでざわつき始めた



侑「…なあ、治」

治「……なんや」

侑「俺、あの優奈って女と付き合おうてたっけ」


ピシッと指を指す宮侑
指された本人はゴクリと生唾を飲んで、宮治の方を見つめた
余計なこと言うなよ、とでも言いたげに


治「付き合おうてないな。少なくともお前の元カノはAちゃんだけやで。」


侑「…ふーん」

品定めをするように、ジロジロと見下す

侑「無いな、タイプやない」
優奈「なっ、」
侑「しかもお前、Aちゃんのバ先の先輩やろ?あの男ともグルやんな」
優奈「…そうだけど、」


侑「嫉妬して、陥れて。惨めな豚やな。」
気持ち悪、と心底吐きそうな顔をしてそう言葉を零した
その言葉に顔を真っ赤にして、俯く女の人



さて、俺もどうにかしないとな


赤葦「…あの、佳奈さん、だっけ」
佳奈「うん、何?」
赤葦「少なくとも俺は、人のことを簡単にバカにするような人間のことを好きになったりしないかな。

もしかして、舐められてる?」

ニッコリ笑って次の言葉を待つ俺とは対照的に、みるみる顔が青くなっていく

赤葦「ごめんけど、本当に君が誰だか覚えてないんだよね。ごめんね」

佳奈「っ、行こ!」

バタバタと従兄弟と二人で帰っていく


俺と宮侑と宮治と角名

よく分からないメンツがその場に残った


赤葦「…もしかして、事故にあったのはクリスマスの日?」

治「そうやな、中2のクリスマスの日」

赤葦「…そうか、やっぱり。Aさ、毎年クリスマスの日はいつも切羽詰まった様な顔してるから」

帰りたい→←わたしの、



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作者名:イオリ | 作成日時:2020年8月12日 23時

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