最後のいちぺーじ【 HQ 】 (ページ4)

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冷えたままの指先ページ4

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真っ白な顔で病室のベットに横たわる侑にはたくさんのチューブが繋がれている

治「一命は取り留めたって」

飲むか？と差し出されたホットココアの缶を手渡されて、震える手で受け取った

温まるはずの指先は、冷たいまま震えていて

母「治…！」

治「母さん」

慌てたように病室に入ってきた侑のお母さんは私をちらりと見て治に向き直った

母「どうしよう、治…

お医者さんがもうバレー、出来ないかもしれないって」

ガツン

「え……」

頭になにか当たったみたいに衝撃が走る

もうバレーが、出来ない？

侑の試合も、もう見れない？

楽しそうにプレーする笑顔も？

グルグルと頭の中が言葉で埋め尽くされる

落ち着け、とギュッとホットココアを握ったけれど全然暖かくない

母「…Aちゃん」

「……はい」

母「気を病まないでね、貴方のせいじゃないから」

ニコッとお母さんは苦笑した

その目はたくさん泣いたんだなって分かるくらい晴れている

嘘だ

私のせいだ

私が早く来てなんて言ったから

侑「…ん、んん」

治「…！侑(ツム)！」

母「侑？！な、ナースコール！！」

眉間にグッと皺が寄ったあと、眩しそうに目を開けた

侑「…さ、む？母さん…？俺なんでこんな…」

母「もしもしすみません！侑が起きて＿」

治「お前チカチカした横断歩道走って渡った時にトラックに突っ込まれたんやで？！

Aちゃん心配させといてそんな＿＿＿＿＿」

侑「…A？」

「…侑、」

タレ目がちな茶色の瞳が私を捉える

大丈夫？と彼の頬に手を伸ばしたが、その手は空を切った

侑「…あんた誰や」

ああ、ココア冷めちゃったな