隣の席 ページ17
お母さんに言えなかった
心配させちゃうと思って
嫌でも朝はやってくるよなぁ…と窓から差し込む光を睨んだ
枕に顔を埋めて大きなため息を着いた後、ゆっくりと体を起こして準備を始める
今日は入学式だからはやく帰れるし、最近始めた居酒屋のバイトが夕方から入ってるからそれに備えて寝ようか
ふわあ、と1つ欠伸をして家を出た
_____
侑「Aちゃんやん!おはようさん!」
「なんでこうなったの…」
最悪、と落胆する私の横で嬉しそうにニコニコする侑
事の発端は…そう、先生の爆弾発言だ
先生「2年生は修学旅行あるし、何回か席替えしてみんなと仲良くやってな〜」
てことではい!と渡されたクジ箱に手を突っ込んで1つ手に取る
5番、1番後ろの窓側
(勝ち取った…!!!)
やった、とガッツポーズをかまして席を移動した
と、同時に視界の隅で揺れる金髪
「関わらないでって言ったよね」
侑「そう言われると関わりたくなるのが人間やん?」
「…はあ」
本当、昔と変わんないな
…いや、昔と変わらないんじゃなくて変わりすぎてしまったんだ
あのころの私も侑ももう居ないんだから
侑「なあ、治と知り合いなん?」
「…ちょっとね」
侑「なんやねんそれ!!転校生と弟が知り合いとか気になって夜も眠れへんのに!!」
「…」
侑「ガン無視きっつ!寒いねんここは標高何メートルやねん!!」
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作者名:イオリ | 作成日時:2020年8月12日 23時