最後のいちぺーじ【 HQ 】 (ページ15)

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他人の空似ページ15

バクバクとなる心臓を抑える

ちょっと、息苦しい、かもしれない

先生｢…はい。じゃあ今日はこの後部活ある人は部活行って、帰宅部の人は帰れよ～

明日入学式やから、あんまり遅くまで残らんように、解散！｣

ありがとうございました！と口々に言って教室が騒ぎ始める

帰ろう、はやく帰らなきゃ

ガタン、と席を立って乱暴にリュックを持ってドアへと急ぐ

角名｢あ、Aー、あのさ｣

｢倫、ごめん、ちょっと体調悪いからまた明日にして｣

角名｢は？ちょっと待って、｣

グイッと腕を引っ張られて、倫の腕の中へよろける

倫｢大丈夫…って、顔色悪。保健室行く？｣

｢大丈夫、今日お母さんのとこ行かなきゃだから、ごめん離して｣

倫の胸板を押して、後ろに後ずさる

あれは私の知ってる侑じゃない、きっと他人の空似ってやつだ

私の知ってる侑は、黒髪で、もう少し身長低くて、それで＿＿＿＿＿＿＿

それで、

ドンッ

？｢あ、すいません｣

倫の隣にいたであろう男の子にぶつかる

謝ろう、と後ろを振り向いた

治｢……え、Aちゃん？｣

｢っ、お、さむくん……｣

手に持っていた食べかけのおにぎりを持ったまま驚いた表情で私を見つめる治くんが目に映る

侑｢待たせてすまんな～やっと課題終わったで！…って、転校生ちゃんやん！治と知り合いなん？｣

よろしくな～！とニコニコ笑顔で私に手を差し出す侑

その笑顔は、あの時の侑にそっくりだった

ただ、向けられる笑顔が違う

“彼女”に向ける笑顔と“クラスメイト”に向ける笑顔

治｢…侑、｣

侑｢？何？｣

ああ、神様

本当に神様がこの世界にいるのなら、私にどれだけ試練を与えるつもりなんですか

｢…私に、関わらないでください｣