知らない ページ14
先生｢はい、今年1年一緒に頑張っていく仲間たちです
簡単な自己紹介を1番からよろしくね。転校生もいるし｣
転校生、と言う言葉が聞こえた途端ザワザワと騒ぎ始める
チラ、と先生を見るとちょうど私を見ていたのか目がバチりとあってから頷いた
ゆっくり椅子を引いて、立つ
｢有馬Aです。東京から来ました。
よろしくお願いします｣
ペコリと頭を下げてから、椅子にゆっくりと腰を下ろした
次に次にと自己紹介が始まっていって、ボーッと右から左に聞き流す
？｢え！もう俺の番？！ちょっと待って先生！！俺課題で忙しいから飛ばして！！｣
先生｢何言うとるん？冗談は髪色だけにせえよ｣
？｢染めんと区別つかんやんか！！｣
ピタリ、と脳内が真っ白になった
なんだろう、なんか、すごく聞いたことある声だな
誰の声かわかってるはずなのに、心の中で知らないフリをして
バクバクとなる心臓
振り向くなって全身が言ってるのに、本能のままゆっくりと後ろを振り向いた
侑｢宮侑です！！以上！！｣
先生｢おまえよろしくお願いしますくらい言えや｣
侑｢よろしくお願いします！！｣
｢っ、ぇ、？｣
喉からぽそりと出た言葉は、周りの空気に溶けた
随分と大きくなった体つき
明るい金髪に、変わらない笑顔
｢…ちがう、違う知らない人、うん｣
小さな声でそういいきかせて、胸元のネクタイをぎゅっと握った
神様、なんていじわるなんでしょう
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作者名：イオリ | 作成日時：2020年8月12日 23時
