検索窓
今日:6 hit、昨日:2 hit、合計:26,266 hit

2年ぶり ページ11

あっという間だった


つい何ヶ月か前まで、臣とお婆ちゃんと3人で食べたシチューが恋しい




婆「お母さんがな、働すぎで倒れたんだって。


はやく退院出来たらいいけど、それと同時に病気も見つかったらしくてな。


その間、兵庫の家に住む人がおらんのと着替えとかを支えてあげれる人がいないから


お母さんと話し合った結果、申し訳ないけど戻ってきてもらおうかってなったんよ」




ごめんな、と申し訳なさそうに頭を下げるお婆ちゃんに顔を上げて、とスプーンを置いた




「私がお母さんとおばあちゃんに支えてもらったから今の私がおる。

今度は私が支える番やんな」


佐久早「A…」


「臣も寂しくなるやん〜〜?可愛い可愛いAちゃんがおらんくなるね」


佐久早「可愛いは余計だろ」


「は?……まあ、お婆ちゃん頼むね」


佐久早「ん」





あれから3ヶ月前後


もうポカポカ暖かい季節になり、2年生に進級すると共に私は兵庫へ帰った




「お母さん、元気?」


母「A…ごめんなぁ」


「なんで謝るん?何も悪くないやろ。」



私を見てぐすぐすと泣き始めたお母さんの頭をポンポンと撫でた



母「ふふ…それにしても見ないうちにすっかり変わったな」


「可愛くなった?」


母「それはどうやろ」


「ちょっと」



そこはお世辞でも可愛いって言ってよ!と言えば嬉しそうに笑って「かわいいよ」って言ってくれた

懐かしいな、この感じ


お母さんには苦しい思いたくさんさせてしまったから、今度はわたしが支えないと




「…よし、私転校手続きしてくるから」


母「…ねえ、大丈夫?なんて名前のところだっけ」




「稲荷崎だよ、井闥山の先生が家から近いし偏差値同じぐらいだからって選んでくれたの」



母「そうやけどさ…ほら、前の中学の子とかおらんのんかな?」



「いないでしょ、お母さん家引っ越したんだから、わざわざこんな遠いところに通う人なんていないって」



母「…そうやんな!よし!行ってらっしゃい!」



「うん、また明日来るね」



バイバイ、と手を振って病室を出る

ゆっくりとドアを閉めて、その場にしゃがみこんだ


ドアノブを持ったまま震える手を抑えるようにギュッと力を入れる



大丈夫、大丈夫

もうあの時の中学の人はいないし、侑も治くんもわざわざこんな遠い場所来ないはず



?「…あの、大丈夫ですか?」

倫→←シチュー



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (55 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
117人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー , 宮侑
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:イオリ | 作成日時:2020年8月12日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。