【学ヘタ】届かない。【アーサー】 (ページ14)

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I'm totally into you. 14 ページ14

それから数日間、ずっとアーサーには会えていない。

学校に行っても見かけないのだ。

彼は生徒会長だから、仕事で忙しいのかもしれない。

「なら、仕方ないよね…。」

なんて呟いて、誰もいない放課後の廊下を歩く。

あー、アーサーに会いたい。なんて心の中で叫んでみる。

当然、彼が目の前に現れるわけでもないし、そんな都合の良い話があるなんて思っていない。

「だけど、私の前に来てくれてもいいじゃない。」

馬鹿アーサー。

私のことが好きなら、会いに来てよ。

私がどれだけ貴方のことを待っているのかなんて

知らないのだろうな。

「兄様～！！」

「うっ…。いきなり抱きつかないでくださいよ…。」

居間にいた兄に思いきり抱きつく。

この虚しい思いを、兄にぶつけるしかない。

「アーサーが私のところに来ないのです！！もう、私のことが好きなら会いに来てくれても良いのに…。」

「いや、そんなこと私に言われても…。」

兄は困っているようだ。それでも兄様にぐわーっと言う。

「私は会いたいのに、アーサーは会いたいと思わないのでしょうか。本当に、あの馬鹿アーサーは！」

「だから私に言われても困りますって。」

「馬鹿！！馬鹿アーサー！！」

「人の話聞いてます？」

「うわーーーん！！兄様もアーサーも嫌いですぅ！！」

「どうして私まで嫌われなくてはならないのです。」

今まで抱きついていた兄を突き飛ばし、自分の部屋へと向かった。