I'm totally into you. 1 ページ1
廊下ではしゃぐ生徒の声が、廊下に響く。
うるさいな、なんて思いながら、その騒がしい廊下を
何枚も積み上げられたプリントを抱えて歩く私。
このプリントは先生に職員室まで運ぶよう頼まれたものだ。
何故私なのか。
それは、平凡な私に頼みやすいからだと思う。
べつに悲しくなんてない。
この学園に入学してからずっとそうだ。
平凡な私は、皆からたくさん頼まれてきた。
もうなれてしまった。
「はぁ、なんで私って影うすいんやろ……」
ポツリと呟いた瞬間
体がぐらりと傾いて、黒の文字が書かれた紙がが舞う。
「う……わっ…!!」
しまった!と思ったが今更遅い。
体が地面に打ち付けられる。
「痛っ……」
足がズキズキと痛む。
「何なん、私なんか悪いことした?」
なんてブツブツと文句を呟いていた。
足元にはバスケットボールが転がっている。
「sorry!ボール取ってくれ!」
前から私の知っている男が走ってきた。
その男の顔を見て怒りが一気に爆発。
男はなんと、私の友達のアルフレッドだった。
「あんた、廊下でバスケの練習しないで!!そのせいで転けたやん!バカ!」
いつのまにか怒鳴っていた。
「すまない……。許しておくれよ…!!」
「アルなんて知らない!!」
アルフレッドはばらまけたプリントを拾い集める。
その様子を見て、反省しているなら許してやろう。
なんて思いながら、私も一緒にプリントを集める。
広範囲にプリントが散らばっているので、集めるのにも時間がかかる。
アルフレッドのせいだ。なんて人のせいにする私。
目を瞑って、はぁ、とため息をついた。
暫くした後、目を開くとアルフレッドが右を見ていた。
私は斜め左を見る。
金髪で、眉毛が特徴的な男の人がプリントを集めているではないか。
「せ、生徒会長さん!」
「あ?」
彼は生徒会長のアーサー・カークランド。
この学園の生徒会長。
そのルックスと、勉強、運動が共にできるので女子にとても人気だ。
私はべつにかっこいいとは思わなかったが。
「アルフレッド、お前…また廊下でバスケでもしてたんだろ?」
「その通りだぞ!」
アーサーの問に笑顔で答えるアルフレッド。
彼の答えを聞いてアーサーはため息をついた。
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作者名:みずき@佐香智久くんlove | 作成日時:2017年1月4日 22時