17話 ページ17
Aside:
ホントはもう辛くて辞めたい気持ちでいっぱいだった。でも、求められれば求められるほど応えなきゃ!って思うから、結局辞める時なんてこなくて、期待以上のものを応えたいから今日も練習してたら「休めば?」って言われて、ホントは休みたかったけど、「こんなことで休むんだw」ってどこか知らない誰かに言われそうで怖くて、トイレという理由で駐車場に行って、練習してた。そしたら、見つかっちゃって、今度は怒られそうで怖くて逃げ回った。
周りからの「頑張れ」がいつからか「頑張りなさい」にしか聞こえなくなってて、「休みな」も「休むな」に聞こえて、メンバーの皆さんの声も信じられなくなった。あの時、嘘つかれたあの子の心配も心からの心配だって分かるのに、何となく「大丈夫」で乗り過ごしてた。ホントの自分の心はボロボロってわかってたのに、それに気づかないようにいないと、ホントに壊れそうで、どんなことにも、「頑張らないと」「大丈夫」で乗り越えてた。
加藤:「まだ、休むことが怖い?」
正直、怖い。でも、そんな甘いこと言えない。だから
「私は…ヒクッ、私は、、休んじゃいけないので。」
小山:「誰が、そう言ったの?」
そうだよ。誰が、そんなこと言ったの。でも見えない誰かに言われてる。それが怖い。
それを察してくれたのか、加藤さんの大きな手が私の頭を撫でる。そしたら、もっと我慢出来なくなって、ホントの自分を出せるようになった。何事にも怖くて逃げ続けただけだった。弱い人間だった。
加藤:「そんなことないよ?」
「え?」
加藤:「Aは強い人間だよ」
心の声、聞こえちゃったんだ…。ホントの自分を隠してたのに、隠すことが出来なくなった。でも、急に、「ふざけんなよ。」「近づかないで。」…怖くなった。優しく接してくれてたのに、自ら体を離した。
増田:「どうした?大丈夫だよ?」
もう一度、手を広げてくれるけど、もう飛び込めない。すると、
手越:「おはよぉー!いやぁ、遅くなっちったーww
…え?なんか、あった?」
手越さんがいつものテンションで来た。その時の私は手越さんがなんか怖くて、
「やめて!!来ないで!!!」
迫ってビンタされそうで、お父さんと公園の時の子たちと重なって怖くて怖くてたまらなかった。壁の隅っこに逃げて、近くにあった自分のカバンを抱いた。今は何かを抱いてないと怖かった。4人のほうを見れば、心配そうな顔で見つめられてた。
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作者名:夢見 | 作成日時:2020年9月20日 11時