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「悩むことはとてもいいことだ」
自ら答えをだそうとしているのだからね
「でも、そろそろ答えを出してもいいんじゃないのかな」
Aはは優しく微笑む
この人になら、話してもいいだろうか
どんなに胡散臭くても
どんなに人の心を当ててしまっても
その笑顔に包まれたい
そう思ってしまう
「・・・・・・話、聞いてくれますか?」
「あぁ 勿論」
京治はAの前に、腰を下ろし直す
「俺、高校はバレー部のだったんです」
それも、結構強いチームのレギュラーだった
チームのメンバーは、プレイヤーとしても
人としても大好きでずっとこのチームでやれたら
って思っていた
いや、今も思っている
その気持ちが原因で、バレーを続けるか
悩んでいるのだ
「────私はスポーツみたいな誰かと何かをするといった事をしたことがないから」
正しい意見は言えないがね
「今京治が考えるべきことは、そのチームがどれだけ最高だったかじゃない」
バレーボールが好きかどうか、だ
Aのその言葉に、京治の心に広がる霏は
どんどん薄れていく
「バレーが好きでまだ続けていたいという気持ちがあれば、サークルでも他のチームにでも入ればいい」
「・・・・・・」
「人生は一度きりだ 京治がどんな選択をしても、誰も責めたりしないさ」
まるで、心が晴れるような
清々しい気分だ
そして、その霏がきえた事を合図に
京治の、頬には雫が伝った
「その涙は止めてはならないよ 枯れるまで泣け」
「・・・・・・」
「安心して 誰にも言ったりしないよ」
そして京治は、いつぶりか
Aの胸の中で雨を降らせ続けた
「きっといい未来を切り開けるから」
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作者名:さやめめめめめ。 | 作成日時:2016年1月29日 20時