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「やぁ、京治」
「先輩早いですね」
「楽しみだったからね」
さぁ、行こうか
Aと京治は約束通りに週末に出掛けることになった
そして今日
詳しい行き先は伝えられずに
文京区にきていた
「いやぁそれにしても、流石に蒸すな」
天気は雨
湿度は８０%
どおりで蒸し暑い
京治はじわっと汗を感じながら
Aの後ろをついていく
それにしても、どこへ向かっているのだろう
Aに何度聞いても
「ついてからのお楽しみだ」
と教えてくれない
「ここって、こんなに人通りが多かったでしたっけ？」
京治が前にここに訪れた時は
今ほど人が多いとは感じなかった
それに、殆どの人が同じ方向に進んでいる気が
「気がするんじゃなくて、本当にそうなんだよ」
つまりは、京治とAが向かう先と
他の人が向かう先は同じということか？
京治は胸に疑問と期待を膨らませ
Aについていく
「･･････お祭り？」
京治の目には沢山の屋台が入り
香ばしい匂いが漂ってくる
それは京治の腹を刺激するには十分で
ぐぅぅぅ〜
と虫が知らせてきた
「･･････Aさん、聞こえました？」
「あぁ、聞こえたよ」
Aにくすくすと笑い
屋台の人に何かを言えば、二つのりんご飴を持ってきた
「無性に食べたくなってしまってね」
京治は嫌いかい？
「いえ、俺もりんご飴好きです」
本音を言えば、すぐにでも焼きそばやたこ焼きといった腹にたまるものを食べたいが
Aさんが食べたいものは俺も食べたい
なんて思ってしまった
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作者名：さやめめめめめ。 | 作成日時：2016年1月29日 20時
