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「Aさん、居ますか？」
次の日
講義が終わった後に
京治は北校舎を訪れた
「･･････あぁ」
随分と小さな声だが
Aがいることを確認した京治は
部屋に入る
と
そこには、布団にくるまったAが
「もしかして、起こしちゃいましたか？」
「いや、まだ寝てない･･････」
よく見れば、Aの目の下には
隈がくっきりと作られていた
「また今度に･･････」
しようと、部屋を出ようとすれば
Aに止められてしまった
「私を快眠へ誘ってくれ」
そう言って、要求してきたのが
膝枕
「またなんで･･････」
「京治の膝枕なら寝れそうな気がするんだ」
確信を持っているかのように言われても
全くもって信憑性がない
でもまぁ
「俺の質問に答えてくれるなら、いいですよ」
「･･････善処するよ」
交渉成立
京治は腰を下ろし、Aはその上に頭を乗っけた
「で、質問とは？」
「俺の印象、教えてください」
その後数10秒沈黙が流れた
一瞬寝てしまったのかと思ったが
Aは口を開いた
「･･････光、かな」
「光？」
と、聞き返す頃には規則正しい寝息が部屋に響いた
全く理解のできない言葉を残して
眠りについたAに腹を立てた京治は
その場から退いてやろうかと考えるが
Aの血色の良くない顔や目の下の隈を見、
それを辞める
代わりに、Aの頭を撫でる
「･･････一体この人は、何を考えているんだろう」
そんな問いは、返答されることもなく消えていった
その時、京治は聞いてしまった
Aの髪を撫でていた手が耳に触れた瞬間の
Aの熱っぽい声を
「･･････くそっ」
胸がモヤモヤする
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作者名：さやめめめめめ。 | 作成日時：2016年1月29日 20時
