９ ページ11
「京治にいい事を教えよう」
恋愛についてだ
「･･････はぁ」
部屋に入るなり、当たり前のように紅茶を
出され
一息ついた頃、Aがそんなことを口にした
「京治は、まず愛と恋愛の違いは分かるかい？」
「･･････それって、違うんですか？」
「愛と恋愛は、大いに違うよ」
愛とは友情と情熱とかかわり合い
そして恋愛は仲良くなりたい、助け合いたい、二人きりになりたい
「つまり恋愛には性感情を伴うんだよ」
「あぁ、成程」
「京治にもし想い人が現れたとしてもそこに性感情が無いのなら、私はその人をオススメしないな」
「Aさんは、俺の親ですか」
人の恋路のアドバイスだなんて
まずは自分の恋路をどうにかしろと言いたくなる
「あとそれと、好きはいくらでも言っていいが、愛してるはホイホイと言うものじゃない」
「やっぱり、そこにも違いがあるんですか？」
「あぁ」
好きとは、自分にとって価値のあるもの
「友達や歌、食べ物だってそうだ」
でも
「愛してるは、相手の幸福を願う言葉だ」
「幸福？」
「そう だから、老いても、病気になっても傍にいると誓える相手にしか、愛してるなんて言ってはいけないよ」
分かったかい？
「わかり、ました」
「ならば宜しい」
「あの」
ふと疑問に思ったことを、京治は口にする
「なんでAさんは、そんなに色んなことに詳しいんですか？」
人の印象についてや、今の恋愛に関してもそうだ
あまり人の知らないことを、この人は知りすぎている
「京治は、人の心は鏡という言葉を知っているかい？」
「･･････いえ」
「ならば、覚えておくといい」
きっと将来、役立つさ
そう言ったAの顔は、どこか悲しそうだった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さやめめめめめ。 | 作成日時：2016年1月29日 20時
