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「・・・・・・」

Aは答えられなかった
今ここで、本当のことを言えば
満は引き下がるだろう
だが
それは同時に、京治にもそのことが知らされるということだ
今、京治は悩んでいる
なのにそんな京治の気持ちに水を差すような真似は
Aには出来ない
だからと言って、誰でもないと言えばまた振り出しだ

「Aちゃん、俺と付き合わない?」

突然の提案
その言葉に、誰もが動揺する中
最も動揺したのは、京治だった

「俺ならAちゃんを幸せにしてあげられる」
「・・・・・・」
「俺なら、Aちゃんを不安になんてさせないよ」
「・・・・・・」

Aは迷う
Aに満と付き合うという選択肢はない
では何に悩んでいるかというと
それは、どういう言葉で断るか、だ
別に、相手が傷つかない言葉を探している訳では無い
京治や他のクラスメイトに誤解を招かず
なおかつ、京治の気持ちを優先させる言葉
悩みに悩んだ結果

「・・・・・・考え、させて」

誤解を招いた

「勿論! 突然のことで驚いただろうし、一向に構わないよ」

じゃあ、そうだね

「来週にでも、返事を聞かせてもらうね」

そう言って、満はAの前から去った
残ったのは、嵐が過ぎ去ったかのような静けさと
どこかの誰かの悲しい瞳だった

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作者名:さやめめめめめ。 | 作成日時:2015年12月28日 1時

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