月が綺麗ですね (ページ12)

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家のことは殆どAがやっていてくれた
だから京治は自室に戻ってゴロゴロと
すると
ガチャリ、とドアが開く音がしたから
あぁ、A風呂から出たんだな
って思ってドアの方を向けば

「････････････」

Aがいた

「服、下に降ろすの忘れてた」

正確には
バスタオル１枚のAが

「･･････ねぇ」
「ん？」
「Aにとって、俺って何なの？」

Aは京治が何故ああ質問をするのは
わからなったが、素直に答える

「恋人」
「うん、じゃあ問題ないよね」

京治はAの腕を掴んだかと思えば
引っ張り、ベッドに押し倒した

「っちょ、京治？」
「恋人の前でこんな格好するなんて、誘ってるとしか言いようがないんだけど」
「だ、だからこれは、服を･･････」

今の京治は、なんか怖い
目が、顔が、声が、怖い
今までの京治じゃない

「俺も男なの、忘れた？」

そう言って、京治はAの口を塞いだ

「ん･･････」

優しく
でも、何処か強引なキス

「け、いじ･･････」

何度も
何度も
息をするのも忘れるほど、それは絶え間なく続く

「くる、し･･････」

Aの途切れ途切れの声も
今の京治には届かない
やだ
やだ
初めてがこんなのは

「･･････やだっ」

そこで京治は、我に返る
Aは息を荒げ、目尻には涙を溜めていた

「ごめん･･････」

自分は何を焦っているんだ
大事な彼女なのに
大切にしたいのに
嫌われた
京治はそう、直感した
京治はAから離れようとする
が

「優しく、して」

手を繋がれ、Aに引き寄せられた

「･･････優しくする」

でも、途中で止められる程甘くはないよ

京治の言葉に、Aは頷く
それが合図となり
京治は再び、Aにキスを落とした