星が綺麗ですね (ページ22)

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ここかは、引き続き本編です

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屋上から校門に向かえば
京治は、確かに待っていた

「遅い」
「ごめん」

それだけ言って、歩き出す

「で」

京治は口を開く

「どうだったの」

どう返事をしたのか、と
京治にそれを言う意味があるのか分からなかったが
Aは言う

「好きでもない人と付き合ったりしない」

好きな人がいるわけでもないけど

「そっか」
「うん」

勿論京治だって、そんなことは分かりきっていたが
Aから改めて答えを聞くことによって
安堵した

「京治はさ、好きな人いるの？」

Aからの突然の質問
最近、Aから質問されることが多い気がする

「なんでそんなこと聞くの？」
「･･････恋って、どんな感じなのかなって」

それは先ほどの一件で芽生えた疑問
そして好奇心

「京治なら、どんな感じなのか知ってる気がした」
「･･････いるよ、好きな人」

そう、目の前に
物凄く近くに

「へぇ告白したりしないの？」
「･･････したい、けど怖い」

怖い？
と、Aは聞き返してくる

「告白して、付き合えたら万々歳だけど、もし振られたらって思うとさ」

友達に戻れなくなる可能性だってある
下手すれば、避けられてしまう可能性だって
そんなのは、ただ辛いだけだ
なら、想い続ける方が幸せだ

「やっぱり、辛いものなの？」
「あぁ、辛い」
「そんなに辛いなら、諦めちゃえばいいのに」

諦められないから、余計に辛いのだ

「･･････そう簡単にはいかないさ」
「そういうものなのかね」
「そういうものなの」

Aもいつか、好きな人が出来れば分かるさ
そう言って、京治は空を見上げる
空は夕焼けで真っ赤に染まっていた

「･･････今日も星が、綺麗だろうな」