6 ページ7
.
.
『A、さっきから顔赤いけどどうしたの』
昼休みになり、逃げるように友達の机まで来て一緒にお弁当を食べる。
「な、なんでもないよ…」
黒尾くんに私の力作を意図せず見せてしまったあげく吹かれたなんて言えない。
『ふーん?あ、そういえばさっき黒尾くん授業中盛大に吹いてたけどどうしたの?』
「ヤメテ…それは言わないで……」
頭に?マークを浮かべる友達にしぶしぶ先程の経緯を話したら大爆笑された。
うぅ、人の気も知らずに…
「絶対引いたよね…私にとってはすごくこだわって描いたから惚れ惚れする出来だけど、隣の席になった女が教科書にあんな落書きしてるんだもん」
『惚れ惚れするとか自分で言うなや笑』
そう言って友達はお腹を抱えて笑いながらうっすら涙を浮かべている。
「笑いすぎだ、くそぅ…」
『ふふ、ごめんごめん。でもさ、真顔で見られるよりは笑ってもらえる方が良くない?』
そう言われて私は、落書きを見てから真顔で私の方を向く黒尾くんを想像した。
「…確かにそれはダメージがでかい」
『でしょ?よかったじゃん、笑ってもらえて』
「……そう思っとくよ………」
昼休みが終わり、恐る恐る席につく。
黒尾くんごめん、私のせいでちょっと気まずい思いさせて…。
チャイムが鳴るまでまだ少し時間があり、鞄の中を整理していると不意に横から声をかけられた。
「オネーサン、ちょっとこれ見て」
声の主が黒尾くんだと気づき困惑したが、言われた通り黒尾くんが指をさしたノートを見る。
そのノートには、ネコだかウサギだかよくわからない耳が生えていて、鼻と唇がやけにリアルな謎の生物が描かれていた。
「く、黒尾くん、これは一体……」
笑ってしまっていいのかどうかわからなくて必死にこらえ、恐る恐る黒尾くんに尋ねる。
「犬のつもりで描いたんだけど………もしかして伝わってない?」
犬と聞いた瞬間、私は盛大に吹き出した。
「ふ、ふふ、黒尾くん、犬はこんなに耳長くないよ…」
「え、まじ…?なんか犬の耳ってどう描けばいいかわかんねーなと思って、とりあえず長くしてみたんだけど……どう?」
大真面目にどう?って聞いてくる黒尾くんにツボってしまい、私は肩を震わせて笑う。
「ふっ…とてもいいと思います…」
「よっしゃ」
1426人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すめし(プロフ) - 黒瀬将哲さん» うわあ〜〜〜〜〜しばらく更新できてないのにも関わらず暖かいコメントありがとうございます(;;)(;;)そう言っていただけて嬉しいですありがとうございます!!!! (2021年5月16日 22時) (レス) id: 3fd1cc3a0e (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬将哲(プロフ) - めっちゃ好きなんです。。。この作品!!!更新楽しみにしてるんで、無理しないように頑張ってください!! (2021年5月8日 18時) (レス) id: 933fb2550f (このIDを非表示/違反報告)
すめし(プロフ) - ぴよさん» ぴよさん!!またコメント頂けるなんて、嬉しくて泣きそうになりました…毎度暖かいお言葉ありがとうございます!!!これからも頑張れます〜〜〜(;;) (2021年3月27日 16時) (レス) id: 3fd1cc3a0e (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - 2回目のコメント失礼します。投稿お疲れ様です。すめしさんのお話を見ていつも楽しませてもらってます...!!これからも応援してます!大好きです! (2021年3月27日 7時) (レス) id: ebdd1925d4 (このIDを非表示/違反報告)
すめし(プロフ) - たおさん» うわあ〜〜〜〜〜〜一番大事なところ間違えてましたご指摘ありがとうございます!!!!!!!!修正しました!!!!m(_ _)mそして嬉しいお言葉ありがとうございますそれを聞いて私が元気もらいました。。更新頑張ります!!!! (2021年2月19日 22時) (レス) id: 3fd1cc3a0e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:すめし | 作成日時:2021年1月15日 21時