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「保健室から見てなさいって言ったでしょーが」
閉会式を終え教室に戻ると、黒尾くんが私のおでこにコツンと指を置きながら言う。
「…つい、いてもたってもいられなくなってしまいました」
すごい目立ったよねごめん、と私は付け足す。
「……や、びっくりしたけどめちゃくちゃ嬉しかったデス」
ありがとな、と黒尾くんは私の頭に軽く触れる。
「でもあんま無茶すんなよ。これでも超心配したんですから」
「うん、ごめんなさい……そうだ、黒尾くんが私を保健室に運んでくれたんだよね。ありがとうね」
「いーえ、Aサンったら倒れるまで頑張っちゃうんだから。そういうとこ偉いけどさ、心配する奴もいるってこと肝に銘じておくよーに」
「はい、キャプテン」
黒尾くんが真剣な顔をしてそう言ってくれるから私も真剣な表情で返すと、よろしいと言って黒尾くんは席についた。
…さっきのこともあるし、私が黒尾くんに対して思った以上に特別な感情を持っていることを自覚してしまったから、なんだか照れてしまう。
黒尾くんはいつも通り余裕そうで、私だけ意識してるみたいでちょっと恥ずかしいな。
「…俺もうすぐインハイ予選なんだけど、またあんな風に応援してくれたらもっと頑張れるかも」
黒尾くんが頬杖をつきながら、少し意地悪な顔をして言う。
「……もう一生無理です…」
「えー、ケチ」
HRが終わり、それぞれ帰る準備をする。
「じゃ、しっかり休みなさいよお嬢さん?」
黒尾くんが私の顔を近くで覗き込みながらそう言ってくるもんだから恥ずかしくなり、うん、と顔を背けながら返す。
んー?とまたもや不敵な笑みを浮かべてさらに覗き込んでくる黒尾くんを軽く殴る。
『おいお前ら、所構わずイチャついてんじゃねぇ』
黒尾くんの背中に拳を入れながら夜久くんが言う。
「ぐえっ、やっくん最近俺の扱い雑になってないかい」
『お前がだらしねぇ顔してるからだろうが、ほらさっさと部活行くぞ。高瀬さん、気ぃつけて帰れよ』
「ありがとう夜久くん、助かった」
「助かったってどーいうイミ?!2人とも俺のことなんだと思ってんの!?」
そのまま黒尾くんは夜久くんに連行されていった。
………今、顔が熱いのは熱中症のせいじゃないんだろうな。
それにしても顔、近かったな……
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すめし(プロフ) - 黒瀬将哲さん» うわあ〜〜〜〜〜しばらく更新できてないのにも関わらず暖かいコメントありがとうございます(;;)(;;)そう言っていただけて嬉しいですありがとうございます!!!! (2021年5月16日 22時) (レス) id: 3fd1cc3a0e (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬将哲(プロフ) - めっちゃ好きなんです。。。この作品!!!更新楽しみにしてるんで、無理しないように頑張ってください!! (2021年5月8日 18時) (レス) id: 933fb2550f (このIDを非表示/違反報告)
すめし(プロフ) - ぴよさん» ぴよさん!!またコメント頂けるなんて、嬉しくて泣きそうになりました…毎度暖かいお言葉ありがとうございます!!!これからも頑張れます〜〜〜(;;) (2021年3月27日 16時) (レス) id: 3fd1cc3a0e (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - 2回目のコメント失礼します。投稿お疲れ様です。すめしさんのお話を見ていつも楽しませてもらってます...!!これからも応援してます!大好きです! (2021年3月27日 7時) (レス) id: ebdd1925d4 (このIDを非表示/違反報告)
すめし(プロフ) - たおさん» うわあ〜〜〜〜〜〜一番大事なところ間違えてましたご指摘ありがとうございます!!!!!!!!修正しました!!!!m(_ _)mそして嬉しいお言葉ありがとうございますそれを聞いて私が元気もらいました。。更新頑張ります!!!! (2021年2月19日 22時) (レス) id: 3fd1cc3a0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すめし | 作成日時:2021年1月15日 21時