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「いった」
情けない声が思わず漏れる。
やばい、立て直せない。
すぐにロボットをどうにか動かせる個性でもなく、打開策がない。
しぬ
思考をよぎった言葉。ただ私の目の前のモノが怖い。
ロボットの作った影が私を覆う。
とりあえず、立ち上がろうと手をついた瞬間。
BoooooooM！！！！！！
目の前の恐怖はバリンと割れたガラスのように砕け散り、壊れたロボットの破片が頬をかすめた。
煙が晴れてゆき、人影が見える。目の前の人物は、ゆらりと立ち上がり振り返る。目が合った。
逆光で顔は全然分からないけれど、男だということはわかる。
ただその人と目が合うという、よく分からない不思議な時間が過ぎてゆく…そんな時間はすぐ終わり、肌を焼くような熱い爆風と共に飛んでいった。
また、煙がまって目を瞑る。
見上げた先には豆粒くらい小さくなった人影があった。え、飛んでる。すごー。幼稚園児みたいな感想だ。
私は、そんな彼を見上げながら
「受かるんだろうな」
そんな言葉を吐く。
「私も受かれば…」
私はそこで言うのをやめた。
自分でも何を言いたいのかわからなかった。
私は今まで頑張る理由が無かった。
受験に向けて特訓している時も、勉強している時もただ他人に与えられている課題をこなすだけ。私はそれがとても虚しかったが、頑張る気じゃ無いという言い訳があることに安心している自分がいた。
「本当は雄英高校に行って『ヒーロー』になってみたい」こんな本音を口にしてみたかった。
しかし、私はその欲望を認めてしまったら、叶わなかった時泣いてしまうだろう。私はそれが嫌だった。格好悪いと思っていた。
だが、どうだろう。
今だ恐怖で立てていない私は果たしてかっこいいのだろうか。
「…っはぁぁぁぁ」
思い切り息を吐いて、新鮮な空気を肺に詰め込む。
「…ありがとう」
これを直接伝えたいからっていうのも「立派」な理由になり得るのではないだろうか…
今までに無かった目標というものがが明確になった瞬間、ちょっとだけ気持ちが晴れた気がした。
私は立ち上がり、走った。
あの人に「ありがとう」を伝えられるように！！！！！！！
ん？いや、待てよ…
私は走りながらふと思う。
「あの人に2回横取りされたようなものなのに…私、なんで感謝しないといけないんだ？」
そんな素朴な疑問に私の意思は少し揺らいだが、自分に「伝えなければならない」と言い聞かせ、なんとか持ち堪えた。
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スパゲッティ(プロフ) - もりさんへ コメントありがとうございます！！！！！そう言っていただけて、本当に嬉しいです！！！！末長く見守ってください！！！ (1月1日 12時) (
レス) id: b7c2ae5cf5 (このIDを非表示/違反報告)
もり - 面白いです！更新待ってます！！ (12月31日 22時) (レス) @page43 id: 9b7538881a (このIDを非表示/違反報告)
スパゲッティ(プロフ) - 美音さんへ コメントありがとうございます！！！！復活したので、これからモリモリ頑張ります！！！ (12月7日 15時) (レス) id: b7c2ae5cf5 (このIDを非表示/違反報告)
美音 - 更新頑張ってください！！！！応援してます (12月4日 9時) (レス) @page42 id: 6e3a47796c (このIDを非表示/違反報告)
スパゲッティ(プロフ) - しんどぇさんへ ありがとうございます！！！！お陰でようやく次の話かけました！！！！ (9月2日 18時) (レス) id: b7c2ae5cf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みかん | 作成日時：2023年5月13日 23時
