至るまで5 ページ5
*
*
大学生になっても、プレゼントを貰う事はなかった。
高校生のときから、頂戴と言い続けたけど後回しにされ、もうとうとう、どうでもよくなった。
「至くん、」
「なに?」
「誕生日おめでとう」
「んー、」
私があげる事はあっても。
彼から貰う事はなくて。
別にもう、それで良くなってしまった。
人にプレゼント選ぶの私は好き。
でも多分、彼は嫌いなのかなって。
そんな勝手な解釈で済ませる事にした。
マフラー、ネックレス、手袋、本、ゲーム…。
今で私はたくさんのプレゼントをしてきた。
お祝い、おめでとうって気持ちで。
でも至くんからはなにも貰ってない。
「至くん、」
「ん?」
「好き」
「知ってる」
プレゼントも、言葉も。
なにもくれない。
「至くんは?」
「分かってるでしょ」
「わかんない、」
「ちょっと黙ってて、今忙しい」
結局ゲームかい。
周りのカップルが少し羨ましかった大学時代。
▷next__?
39人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:lico | 作成日時:2017年10月8日 10時