ハイキュー×ボカロ【短編集】 (ページ6)

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解散した後、また3人で少し駄弁る。

「俺たちが引退してもさ。」

今度は菅さんから話を持ちかけた。

「影山もいるし、Aだってしっかりしてるから、きっと大丈夫だろ？」

「そんなことないです。/そんなことないっす。」

影山くんが続けた

「俺なんて、菅さんみたいな‘信頼される’セッターには、まだまだです。」

「私も清子さんがいなくなったら、大変なことになりますよ？」

私は菅さんが思ってるほど、

強くなくて意気地なしなのに。

「俺がいなくても、大丈夫だって！」

＿＿＿大丈夫じゃない！

インターハイで負けた時も、

バレーを続けるのが苦痛になった時も、

1番大事なことを教えてくれたのは菅さんなんです！

辛い時も、悲しい時も

3人で笑っていれば、喜び変わっていくんです。

菅さんがいないとダメなんです。

言葉にしたいのにできなくて

「…うっ。…あぁ。」

また、涙に変わっていく。

それから、いろいろあって

「だいぢさぁぁぁぁん！！」

今はお別れ会だ。

白鳥沢に勝って、

全国行って、

全国1になって、

忙しかったなぁ。

これからはもう

大地さんも

旭さんも

清子さんも

…菅さんも

居なくなっちゃうんだ。

「もう時間もないし、次期主将とか発表すっぞ。」

「はいっ！」

みんな、いい声だ。

「エース、田中！」

「ゔぁい！！」

「副主将、成田！」

「えぇ！？ぁ、はい！！」

「主将、縁下！」

「…っ…はいっ！」

「3年が知恵しぼって考えたからな！文句言うなよ！」

泣きはらした顔で笑いながら言った。

「せーの」

「あざーしたぁ！！！！」

「がんばれよー！」

ひと段落ついて解散して、

「また、3人で集まっちゃいましたね。」

「なんか癖になりました。」

「ハハッ、俺もー。」

一息ついて、今度こそ泣かないように

「ついに菅さんも引退ですかー。」

「…3年間、長かったような短かったような。」

…

「前も言ったけど、Aと影山ならきっと大丈夫だって！」

「…うす。」

デジャヴ…。

言葉にしなきゃ。

伝えなきゃ。

「…だいじょーぶじゃ、ない…です。」

あー、泣いちゃう。

それでも、いいや。

「私、菅さんが思ってるより…！

ずっとずっと、不甲斐なく、て

頼りない、んです…！」

菅さんが笑顔で引退するために何ができるか、

ずっと考えて、

出てきた答えは。

ちゃんと言葉にする事だったんです。