ハイキュー×ボカロ【短編集】 (ページ2)

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春が来て、2年になった。

そして、

「…」

「また同じクラスだね！」

またこいつと一緒だった。

「点数下がったー！」

「うっへー、30点！」

「赤葦ー！ここ教えてよ！」

「赤葦ー！」

相変わらず、テストはいつも100点でつまらなかったけど、

君がいる日常は、楽しく感じた。

変わらない点数。

変わらないオレ。

変わらない君の笑顔。

変わらない日常。

余談だがこの時、赤葦と井上コンビは

学校でも有名だったらしい。

春が巡って、3年になった。

井上とはクラスが離れた。

また、全てがつまらなく感じた。

静かになると、喜んだはずなのに。

受験生にもなりながら、バレーも勉強も身が入らなくなった。

それでも、100点は逃したことはなかった。

木枯らしが吹き始めた頃、

「あー、だるっ」

オレはあろうことか、委員長に推薦されてしまった。

曰く、勉強との両立は赤葦なら大丈夫そう。

重い足取りで、1組の教室へ向かう。

毎週金曜日に委員長同士の会議があるそうで、

戸を開けると、

「あ、赤葦！」

何一つ変わらない笑顔で井上がいた。

「5組の席そっちだよ。」

指差された椅子に座る。

井上はオレを見て、ニィと笑い

「赤葦が委員長とか珍しいねー！」

「井上の方が意外だったよ。」

変わらないあの時の日常。

井上がいる、それだけで

オレの世界が色付いた気がするんだ。

「内申がやばいんですー」

なるほどな。

「井上。」

言いたいことが山ほどあるんだ。

テストは大丈夫か？

高校はどこにいくんだ？

＿＿＿＿今、君はオレをどう思ってる？

「なんだ、まだ2人しかいないのか？」

担当の先生がズカズカと入ってきた。

「1回目からすっぽかしてんじゃねぇよ、あいつら」

噛みつきそうな勢いでそう言った。

「ハハッ……もう少し待ちましょーよ！」

もう少しとは果たしてどれくらいなのか。

オレたちは、その後30分待った。

「……じゃあ、今日は解散で。」

疲れた顔で諦めた先生。

「さよーなら！」

「さようなら」

2人で靴箱の方へと歩いていく。

なんか、暗くなるの早くなったな。

「赤葦、これから部活？」

「引退した。」

そっか、とまた笑う井上。

「一緒に帰ろーよ！」

思わせぶりなその発言と

思わせぶりなその笑顔。

ほんと、やめてほしい。

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「バスケ部だっけ？」

「バレー部だよ。」