Go to HiGH&LOW �将� ページ9
ところどころに襲撃の爪痕が残る無名街は、以前よりも殺伐とした空気を纏わせて余所者を招き入れた。
顔馴染みのRUDEBOYSのメンバーは今巡回中のため、顔は見せられないとタケシが説明した。
「そういや、妹さんは？」
「……ララは、スモーキーの部屋だ」
ララ、という無名街の女性がいる。
RUDEBOYSの前リーダー スモーキーの妹であり、時折外に出ては仕事をして帰ってくるという。
妹といっても、同じ日に無名街に捨てられたというだけで血の繋がりはないと聞く。
それでも、血より深い絆で結ばれているということは無名街の誰もが知っていた。
兄を亡くしたララは、その悲しみを消化するのに時間がかかるようで、何かといってはスモーキーの部屋に篭るのだという。
「スモーキーは、俺たちにとっても兄貴みたいな存在だったんだ」
「そりゃね。あんなに統率取れてるのは他でもないスモーキーのカリスマ性と、弟みたいなあんたらがいたおかげだと思うわ」
「……そう、思うか」
「思わねぇ方は見方が変だ」
無名街の住宅を抜けて、到着したのは太陽が一番よく当たる場所だった。
そこに神が君臨しているように、十字架に組まれた木材が立派に墓となって鎮座している。
そこに眠る守護神を思えば、ぎりっと痛むものがある。
「……いきなり来たんで、こんなもんしか持ってないんすけど」
「なんだ？」
「ペットボトルのお茶」
「それがいい。スモーキーは酒が弱いからな」
弱かった、ではなく現在形で話すのは、眠っている彼が生きているからだろうか。
肉体が滅んでも、その精神は崩れない。
いつぞや、どこぞで聞きかじったその言葉が浮かんだのは、気のせいだろうか。
「今度来た時は、線香持ってきますんで」
「どうせなら火を使わないものがいいな。何かあるか？」
「しれっとリクエスト求めないでくださいよ」
ペットボトルの中身を墓標にかけ、空けられたそれを置いて静かに手を合わせた。
来世くらいは、せめて健康体でありますように。
余所者で、かつ友人でもない自分が祈っても仕方ないだろうが。
「……ありがとう」
「なんのなんの。無名街の守護神様ですから、ちゃんとしないとバチ当たりますわな」
「なんの信仰も無いけどな」
「スモーキー教って存在しないんすか」
見送ってくれたタケシ、その背後にいた赤毛の男性と新顔に礼を言って無名街を出た。
時計を見れば、そろそろ戻ってもいい時間だった。
「行くか」
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金巻(プロフ) - 浅葱さん» コメントありがとうございます。お返事が遅くなり申し訳ございません。番長とヤンキー王子兄は全くの別人ですので、その辺も楽しみにしていただければと思います！ (2020年2月5日 1時) (
レス) id: cccae685e2 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - 片桐と尊人については、顔が似てる別の人、として書かれるのでしょうか……？クロスオーバー楽しみです……!!!!! (2020年1月27日 14時) (レス) id: 31b1d8fc0c (このIDを非表示/違反報告)
佐森まゆー。(プロフ) - 金巻さん» お返事ありがとうございます！急かすつもりは微塵もないので金巻さんのペースで頑張ってください！！m(*_ _)m (2019年5月6日 18時) (レス) id: b25f6d0101 (このIDを非表示/違反報告)
金巻(プロフ) - 雅榴さん» お返事遅れて申し訳ありません。ハイローはいいですよね！プリレジェ、ハイローともに出演されている演者さんにも注目して頂きたいです！ (2019年5月6日 17時) (レス) id: cccae685e2 (このIDを非表示/違反報告)
金巻(プロフ) - 悠子さん» お返事遅れて申し訳ありません。現在下書き中ですので、公開まで今しばらくお待ち下さいませ。 (2019年5月6日 17時) (レス) id: cccae685e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：金巻 | 作者ホームページ：
作成日時：2019年4月4日 23時
