低身長のボディガード �� ページ13
唐突な挑発を乗った竜が一歩踏み出すと、負けじとメンチを切る問題児。
また始まったと呆れた果音は自分の席に戻り、尊人はと言えばいつの間にかリングと化した教室の隅でセコンドのように座り込んでいた。
「文句あんのかブラコン」
「るせぇよチビ」
「黙れや小ガリバー」
「誰がだコラ」
「は？ お前以外に誰がいんの。カラッカラのスポンジ脳で考えてみろや」
背は低けれど、態度は大きい。
可愛い顔をしていても、睨む表情はまるで鬼。
そんなギャップを併せ持つ彼らを遠巻きに見ていた女生徒たちは惚けたため息を漏らし、うっとりと見つめていた。
そんな周囲なぞ視界から排除している二人にとっては関係ないが。
「チビはチビらしく喚いてりゃいいんだよ」
「兄貴兄貴って犬っコロみてえに後ろついてくことしかできねぇお前が言えんのか？」
「ぁあ！？」
「んだよ」
一瞬の静寂。
刹那、同時に繰り出された拳が激突し、凄まじい殴り合いがゴングもなく始まった。
女生徒は避難し、男子生徒はその様子を見てはやし立てる。
殴っては蹴り、跳んではかわし、捉えては捕まれる。
下町最強ヤンキー校の頂点と、一介の問題児では差があるかと思いきや、意外にも問題児の方が優勢だった。
教室内の限られた空間をフルに活かし、鍛えた体幹を武器にして時には壁やロッカーさえも足場に変えている彼女は、明らかに竜よりも動きが素早かった。
「負けんな竜！」
「宍戸さん、ファイト！」
まるで場はプロレス興行。
ただの喧嘩とは格が違うやり取りを見ていたクラスメートたちは、いつしか白熱した様子で声援を送っていた。
「そこだッ!!」
「っ!!」
片手を机につけ、ぐるりと半身が回転する。
こめかみすれすれのところでかわした竜は、足を掴んで一気に引き倒す。
床に転がった宍戸の右目を拳が捉え、それを防ごうとした手のひらが止めた。
「……右目狙うのは反則じゃねぇのか？」
「とか言って、お前見えてんじゃねぇのか」
「アホ。もう何年も見えてねぇよ」
勝負は、引き分け。
誰が言った訳でもないが、シンと静まり返った空気が何よりの証だった。
「チビのくせに、案外やるじゃん」
「んだと小ガリバーてめぇ」
「竜ちゃん強くなったな!! 宍戸、お前も結構強かったんだな!!」
「うっわ来たよ巨人」
「お前が小せぇだけだから」
こうして見上げると、ぴきりと嫌な音を立てた首が痛んだ。
攣った首をさすり、また低身長に悩むのだった。
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金巻(プロフ) - 浅葱さん» コメントありがとうございます。お返事が遅くなり申し訳ございません。番長とヤンキー王子兄は全くの別人ですので、その辺も楽しみにしていただければと思います！ (2020年2月5日 1時) (
レス) id: cccae685e2 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - 片桐と尊人については、顔が似てる別の人、として書かれるのでしょうか……？クロスオーバー楽しみです……!!!!! (2020年1月27日 14時) (レス) id: 31b1d8fc0c (このIDを非表示/違反報告)
佐森まゆー。(プロフ) - 金巻さん» お返事ありがとうございます！急かすつもりは微塵もないので金巻さんのペースで頑張ってください！！m(*_ _)m (2019年5月6日 18時) (レス) id: b25f6d0101 (このIDを非表示/違反報告)
金巻(プロフ) - 雅榴さん» お返事遅れて申し訳ありません。ハイローはいいですよね！プリレジェ、ハイローともに出演されている演者さんにも注目して頂きたいです！ (2019年5月6日 17時) (レス) id: cccae685e2 (このIDを非表示/違反報告)
金巻(プロフ) - 悠子さん» お返事遅れて申し訳ありません。現在下書き中ですので、公開まで今しばらくお待ち下さいませ。 (2019年5月6日 17時) (レス) id: cccae685e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：金巻 | 作者ホームページ：
作成日時：2019年4月4日 23時
