無駄に優しい ページ9
ドリンクを作ったはいいものの、私は「ドリンク出来ましたよ！」などと部員全員にわかるような大声で叫ぶ勇気などない。
やべえよ、どうしよう。
無理だ、どうやって言えばいいんだ〜っ。
テニスコート近くまで来て、どう声をかけようか、迷っていると
「どうしたの？」
佐伯さんが、気づいて来てくれた。
『あの、ドリンク出来たんですが・・・』
「あ！作ってくれたんだね！すぐ気づかなくてごめん。」
いや、こっちこそ申し訳ない・・・
「じゃあ、みんなにも言ってくるよ。」
そう言って、佐伯さんは皆のとこへ行こうとした。
その時、ふと思い出す。
あ、そうだ！
『あ、あの』
私は咄嗟に腕を掴む。
すると、佐伯さんがピシリ・・・と固まった。
「な、何⁉」
私は腕を離し、答える。
『すみません。ぼ・・いや葵君の調子がおかしいなと思いまして・・右足の方を若干庇っているように見えたので』
すると、佐伯さんの表情が変わった。
直後、部員全員に連なって坊主がやってくると、佐伯さんは声をかける。
「剣太郎！ちょっと足見せて」
坊主は、ギクリ、と肩を揺らせる。
まさか、言われるとは思わなかったのだろう。まあ皆気づいてなかったし、細かいから特別目が冴えてる私にしかわからなかったと思う。
少し躊躇したが、佐伯さんの無駄にジと目視線を受け、しぶしぶ足を出す。
すると足の指が腫れていた。・・・うわ、地味に痛そう。
「ああ！こんなになってるのに、なんで我慢してたんだ剣太郎！」
「え、えと・・・」
坊主は視線を逸らす。
多分、午後に海に行くから、百合子と遊びたいんだな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 137人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「テニスの王子様」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
邑(プロフ) - 完結⁉︎ちょー続き気になるんですが‼︎あ、あと、面白かったです！ (2023年4月4日 0時) (
レス) id: 5fc4c4d6bd (このIDを非表示/違反報告)
鄰 - とっても面白かったです！もしよろしければ、続きを書いていただきたいのですが… (2021年5月6日 1時) (レス) id: 4fb606c628 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：riko | 作成日時：2019年1月11日 20時
