夢じゃない ページ7
それからあとは、よく覚えてなくて・・・目が覚めると、朝だった。
だから昨日のは夢だったんじゃないか、なんて思いだした。そのままボーッと考えながら食堂に行って、はっと、そう判断する。
そうだよ！あれは夢だ！
夢に違いない。夢でも嫌だけど・・・
「唯野！」
『っ⁉何』
びっくりしながら見ると、いつの間にか目の前に百合子が。
「なんかボーッとしてたみたいだけど・・・大丈夫？」
『えっ‼別に、だ、大丈夫！元気だよ。』
焦りながらも言うと、そう？と心配そうな表情をもとに戻した。
「今日は、唯野が六角の担当って言ってたから、お願いね。なんか、午後に海行くらしいから、そのとき一緒に泳ごうね！」
これまでにないくらい、はしゃいでいる百合子。
海かあ・・・・楽しみ。
私は海が別段好きというわけではないのだが、夏になると、何故か一回は来たくなる。
シーズン特有の効果だろうか。だから毎年、海に来ている。
しかし、海は入った後がめんどくさい。シャワーしなくちゃいけないし、特に砂を出すときが大変。
砂の上を歩かなくちゃいけないから、サンダルの中に入るのが嫌だし海に入った後だとそれが引っ付いて結局汚れる。
だから入った後は毎回後悔する。なのに、毎年、一回は来たくなる。
そして、今の私もその気持ちだった。
「痛っ」
その時、偶然声が聞こえた。
「おちび、どうしたの⁉」
「大丈夫か越前⁉」
見ると越前が口を押さえていて、菊丸先輩、桃城先輩が心配していた。
「唇切れてるね・・・・なんかあったの？」
神妙そうに言う不二先輩。
すると、ふいに越前と目が合う。
っ！
すると越前は、そのままニヤリ、と悪魔の笑みを浮かべ、
「ああ、これ猫に噛まれたんッスよ」
と言った。
ぎゃああ！何てこと言うの⁉
ってかやっぱ、夢じゃない・・・・！
「猫、ねえ・・・」
不二先輩はそう言って振り向こうとしたので、慌てて百合子の方を見る。
「どうしたの？大丈夫」
大丈夫じゃない。
私、ほとんど死んでる。
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邑(プロフ) - 完結⁉︎ちょー続き気になるんですが‼︎あ、あと、面白かったです！ (2023年4月4日 0時) (
レス) id: 5fc4c4d6bd (このIDを非表示/違反報告)
鄰 - とっても面白かったです！もしよろしければ、続きを書いていただきたいのですが… (2021年5月6日 1時) (レス) id: 4fb606c628 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：riko | 作成日時：2019年1月11日 20時
