雷門の王子様と未来から来たサッカープレイヤー第三章思い出す者 (ページ3)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:1,509 hit

「王子と焦り」ページ3

そんなこんなで、いろんなところを探しまわって数時間。
そろそろお昼ということで、一旦ヨネさんの元へと帰ることにした。

「はい、今日はカレーライスだよ。」

ニッコリ笑顔のヨネさん手作り、カレーライス。家庭的な見た目にもかかわらず、味は高級料理店さながら。俺好みの、具がゴロゴロ入っているタイプで、ボリュームがあってとても美味しい。

それを食べながら、午後からの行動を話し合う。

「とりあえず、ショッピングセンター付近は全部探したよ。でも全然いなかった・・・」

『どこかに移動したのかも。』

少し不安に思いながらそう言うと、キッパリと否定される。

「いや、それはあり得ない。キャラバンカーはどっか違う次元に落としちゃったし、ワンダバは中身おっさんだから、行動力無いよ。」

オイ・・・さすがに言い過ぎだろ・・・

『そうか・・・なら、思い当たるとこは無いな。どうしよう』

「まあ、もう一度探してみようよ！見逃してるとこもあるかもしんないし！」

『そうだな。』

そして、午後からもまた付近を捜索する。・・・同じところ何回もまわってる気がする・・というデジャウ感を何度も感じたが、なんとか気にしないようにした。

そうしているうちにだんだん時間は過ぎていき、もう夕暮れの時間。
俺は、なんとか今日中に見つけると思っていたので、ワンダバが見つからないことに、焦りを感じていた。

しかしそんなときでも、フェイのマイペースさは通常運転。

「あ！見てみて！」

妙にキラキラ顔を輝かせて言うもんだから、何かと思い見れば、指差す方向にあったのは「稲妻病院」。

『それがどうしたんだよ・・』

「ここって優一さんがいたとこだよね！会えるかな⁉」

興奮気味にそう言うフェイ。いや、確かにそうだけども・・・

『・・・この世界じゃ会えないと思うけど』

というか、まだ幼いと思う。そう言うと、「そっかあ・・」とショボンと落ち込んだ。

ってかそんなこと言ってる暇ないんじゃ・・・

そう思いながら、ため息をつき、ふと稲妻病院を視界に入れると。

・・・え。

『灰崎？』

灰崎が、稲妻病院に入っていくのが見えた。