どういう事やねん 2【HQ】【宮侑】

49・肩書きは。 ページ49

貴「…あー、なんか疲れた…」


侑「告白ん後にそれは無いやろ」


貴「肩書きくれたっただけやわ！」


侑「…フッフ…」


貴「…なんやねん、元々このつもりやった、みたいな感じやなぁ…」


侑「当たり前やん」


想定外はあったけど、とかぬかす侑。


侑「ストラップの裏、見てみ？」


それな、ストラップの絵取り替えれるようになってんねん、と言われ、裏を向ける。


"お前は俺の恋人になるで！！"


貴「…ぇ」


手書きで書かれた付箋がそこに挟まっているのに気づいたんはたった今。


…あん時の誘いに乗った瞬間、私の負けやったんか。あの1歩を、踏み出してもうたから、


侑「俺の思惑通り…やなぁ？」


貴「…っ、」


ニヤリと笑みを浮かべる侑。先程の雰囲気はどこへやら。…ほんまムカつく


貴「あーっ！やっぱ取り消し！肩書きの話ナシ！！！分かった？！」


侑「取り消しは出来ませ〜ん」


巫山戯るように言われた直後、耳元まで近寄ってきたかと思えば囁いてくる。


侑「それに…俺のこと好きなんは取り消されへんもんなぁ…？可愛ええ」


貴「―――ｯｯ！///」


侑「…ふはっ、おもろいわほんまw」


貴「ほんま大っ嫌いや！」


侑「えぇー…大嫌いな恋人は要らんけんけど…」


誰のせいやねん！！と言おうとすると、


ふわっと抱きしめられる。


優しく、包み込まれる。


貴「な、ここ、道…」


もちろん人や自転車も通る。


通行人の高校生がこちらを向いて一言。


「…カップル…爆発しろ(ﾎﾞｿｯ」


デジャブ…！いや、過去にあった！


貴「なぁ、離し…」


侑「ええやん、俺ら…カップルやねんから」


耳元で言われて、顔が火照る。


貴「ム、リ！ここ外！」


思いっきり引っペがす。


侑「それって、家やったらええってこと？」


貴「馬鹿、ちゃうわ！」


なんて家の話をしてたらほんまに家に着いた。


貴「ほな、私ここで！」


そう言って背を向けると、


侑「肩書き(かたち)だけやなくて、」


ぐいっと引っ張られて侑と向き合う形になる。


侑「…これからほんまに恋人やからな？」


チュッ、と音が鳴って。…唇を奪われたと気づくまで3秒。侑はこちらを覗き、


侑「セカンドも…貰たで」


妖艶な笑みを浮かべて踵を返す侑。


貴「〜〜ｯ！///」


多分私はこれからも侑に惑わされる。


ほんまになんやねん。同じストラップで始まって終わってしかもそれを貰った？！


…どういう事やねん…！


end

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