どういう事やねん 2【HQ】【宮侑】

25・プツンって ページ25

…その先輩は驚く事を口にする。


「てか、どうせ侑くらいしかろくに練習してへんのちゃうん？目立ってないとかw」


は？と私が思ってしまうほど挑発的やった。


「てか侑以外応援する価値ないし？別に角名りんがどうなるとかこっちは知らんねんw」


「勝手にすれば？って感じ、せやから私が何しても＿＿＿」


その時の感覚は、本当に"プツン"と。





貴「…は？」


その瞬間、自分でも驚くほどの低音の私の声がその場を凍りつかせた。


角「?!…山瀬？」


貴「さっきから貴女達何言うてるんですか？ふざけんのも大概にしてくれます？」


「はぁ？！何がやねん！」


貴「侑しか興味無い？そんなんどうでもええんですよ、勝手に侑を自分のモノ扱いしたりは勝手にしてください」


なんやねん、という目で睨んでくる先輩に向かって負けじと睨み返す。


貴「角名くんがろくに練習してない？毎日ギャラリーで何見てはるんですか、目は節穴なんですか？」


「侑しか目立ってへんし！」


貴「それは侑しか眼中にないからですよ、視界を広げることも出来ないんですか？まさか、」


貴「＿侑しか強ないチームでも全国行けると思てはるんですか＿？？」


この一文は、今までで1番の低音で発した言葉だった。ほんまに頭悪い。腹立つわ。


貴「1人にしか興味持たんのは勝手ですけど、他の部員の努力を認めるどころか何も見てないのに悪くいうのはちゃうやろと…」


"＿思うことも出来ないんですかね？"


「…っ、なんやねん偉そうに！」


しつこい先輩やなぁ、これ以上言わせんなや


貴「あぁそうなん、話が通じひんのかぁー…わかりました。ほな＿」


ハサミを握った手を後ろへ持っていって、思いっきり力を込める。


ジャキッ と音が鳴り、私の長めの後ろ髪は、10センチ近く切れたんかな。


貴「これで貴女達が私達を見逃す条件は呑みました。＿これでもまだ何かあんの？」


「…っ、もうええわ！」


そう言い残して去っていく先輩。


…を見た瞬間、フッと足の力が抜けて、その場にペタンと座り込む。


角「大丈夫…？すごいね、今の」


貴「角名くん…ほんまごめんな？」


あんな先輩気にせんでええからな？と言いながら、咲に声をかけた。


貴「咲ー、生きとるー？」


すると咲はゆっくりこちらを見ながら一言。


咲「あんな声低いA、初めて見たわ…」


貴「…私もびっくりしたわ、」


そっと角名くんから差し出された手を掴んで、立ち上がりながら微笑んでみせた。

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