どういう事やねん 2【HQ】【宮侑】

16・突然の勝負 ページ16

下を向いて歩いているため、もちろん上は見えない。


だから、なぜ息がかかったのかは分からないが、驚きで目を見開く。


貴「ちょ、なんやねん…」


侑「…､いや、なんも？」


なんもないんかい！と思いながら


貴「…耳に息かかるって近ない？」


と、さり気なく近づくなアピールをする。


侑「なんでや？」


なんでって…


貴「無理、無理やから…」


ああ、私の語彙力消えた…


侑「何が無理なん？」


貴「…だから…り、理由はないけど…」


侑「ドキドキしとるん？」


急に言われて、ドキッとなる。


貴「そんなわけないやろ！」


侑「ほんまか？」


ああ、嫌や＿…侑のペースに呑まれる…


貴「ほんまやし！…そもそも侑なんかにドキドキする訳ないやろ？ほんまに自意識過剰…」


侑「ほなこっち向けや」


貴「えっ…」


ドキドキしてへんのやったら、顔赤ないよな？と言われてしまった。


…真っ赤やわ…


りんごのように真っ赤になった自分の頬を抑えながら声を振り絞る。


貴「…そっちは向かれへん…わ…」


侑「なんでやねん」


ドキドキしてへんのに？と笑いながら言われて、思わずカチンと来る。


…こんなんドキドキせん方がおかしいやろ…


貴「侑やってさっき顔赤かったくせに…」


と言ったのが間違いやった。


侑「はぁ？！俺赤ないわ！」


明らかに動揺していて、思わず笑ってしまう。しかし侑は不機嫌な様子で、


侑「角名はテストの点数聞いたやろ。俺もお前に何すんのか決めたわ」


と突然言われる。


貴「…さっきので終わりとちゃうん？！」


侑「何言うてんねん、さっきは目逸らした理由聞いただけやないか、これからやわ」


と言われ、仕方なく侑の声に耳を傾ける。


侑「簡単なやつがええ？」


貴「もちろん！」


侑「…ほな、山瀬の家着くまでに、山瀬が目瞑ったら負けな？」


貴「えっ？どういう事？」


ちょっと理解が追いつかない。


貴「瞬(まばた)きすんなって言うん？」


侑「ちゃうちゃう、ギュッて目瞑ったら負けってことやで」


と言われ、は？と声を漏らす。


そんなんでええんやったら勝ちゲーやん…


貴「ええよ、その代わり私が勝ったら、なんか奢ってもらうで！」


侑「おん。俺が勝ってもなんか言うこと聞いてくれるってことか？」


貴「ええよ、絶対瞑らんしw」


さっきまでドキドキしてたのはすぐに忘れ、侑との勝負に真剣に望む。


侑「ほな今からな＿」


だがこのゲームは地獄だった。

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