5 女の子扱い ページ6
「よし!今日の稽古は終わりだ!」
「お、終わった...」
今日はいつもよりへとへとだよ...
「A!頑張った褒美に出かけよう!
今日は俺も非番だ!」
その言葉に目を輝かせた
勢いよく杏寿郎の方に振り向いた
「行く!行く!」
「準備してこよう!」
隊服以外に袖を通すのはいつぶりだろうか
杏寿郎がくれた簪を久しぶりにつける
そして杏寿郎の目の色みたいな着物を着た
浮かれすぎかな
鏡の前で自分の顔を見る
べ、紅も塗ろ!
「杏寿郎お待たせ!」
屋敷の外で待っていた杏寿郎の所まで駆け足で近寄
った
少し照れくさい
杏寿郎の手は私の頭の方へ向かった
「うむ!やはり似合っているぞ!」
杏寿郎が簪に触れるとしゃらんと簪の装飾が揺れた
私は笑顔を向けた
やっぱり着物姿の杏寿郎もかっこいいな...
「どこにいきたい?」
「う〜ん...お団子が食べたい!」
「よし、じゃあ甘味処へ行こう!」
「うん!しゅっぱぁ〜つ!!」
杏寿郎の手を引き私は歩き出した
「A!今日は一段と機嫌が良いな!」
「えへへ、久しぶりなんだもん!お出かけ!」
「そんな所も可愛いぞ!」
「へっ」
歩く足が止まる
「む?どうしたA」
なんなんだこの男は
...ずるい
町を歩く私達を見て
誰が思うだろうか
死と隣り合わせな運命に従って生きていると
誰が
こんな笑顔な2人を見て思うのだろう
私達ははたから見たら幸せそうな恋仲にでも見える
のかな
「甘味処があるぞ!」
「そこにしよ!」
「A!」
「へっ?きゃあ!」
杏寿郎はいきなり私を姫抱きにした
え、な、何!?
恥ずかしすぎるから降ろしてぇ!!!???
「水溜まりの水が飛んで着物が汚れてしまう所だっ
たぞ!」
子供が走って水溜まりの水が私に飛んでしまうのを
避けてくれたのか
だからって姫抱き...!
「早く降ろして杏寿郎...」
「ああ、すまない!」
「は、早く食べよ!
お団子2つ下さい!」
「君達とても仲が良いねぇ
恋仲かい?」
甘味処の店主にも言われる始末
ちらっと杏寿郎の顔を見た
ばっちり目が合って目を逸らした
「いずれそうなると思う!」
「へっ!?」
「ほう、そうかいそうかい
初々しいねぇ」
そう言えば、小さい頃______
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