不思議に思うヒーローは。 ページ7
「僕は嫌い。」
「唐突すぎて話についていけないんだが？」
そういうとごめんごめん、と言いながらわかりやすく話すねと笑った。
「僕ら双子は当然親に比べられた。家はだいぶ名家らしくてねぇ。ヒーローになるのは当然で、かつ強くなきゃいけないって言われながら育ったんだよ。」
ここまで聞いていても、かなりしんどそうな家庭事情だ。
「それで、妹の個性は両親の個性の複合で強かったんだ。反対に、僕の個性は僕自身も気づかないうちに発現していた。」
「そういや、その完全再現っていうのはどんな個性なんだ？」
見てみた方が早い、と少し俺から離れた。
「まずこれは、僕の馬鹿な妹の個性だ。」
そう言うと、雪が降ってきた。それが氷にかわり、水になり、水蒸気となって消えた。
「水性操作っていうらしいねぇ。じゃ、次はどうしよっか。嗚呼、ヒーロー科一般実技試験一位の子の個性はこれだ。」
今度は、手から爆発が起きた。
その後も、いろんな個性を少しずつ見せられ、雪城の個性がなんとなく理解でき始めた。
「僕の個性はねぇ、僕が見て記憶した個性を全て使えるようになる個性なんだよ。まあ、忘れてしまうと使えなくなるんだけどねぇ。」
完全再現。
確かにその名が相応しいと思った。
「お前、やばいな。」
「さんざん見てその感想なんだねぇ。」
これ程までに、ヒーローにもヴィランにもなれそうな個性は見たことがない。
強力だし、何より雪城自身が優秀でなければこの個性は扱えない。
「まあわかったかな？使ってみるまでわからなかったのだよ、僕の個性は。だから無個性と言われた。それでその日から、出来損ない扱いさ。」
出来損ないな理由がない、寧ろ傑作だ。
人間をそんな風に言うのは良くないが、彼女には億以上の価値がある。
「少しは、心を病んだ時期もあったよ。精神的苦痛、たまに暴力も振るわれたしねぇ。それでもヒーローは助けてなんてくれない。わかるかい？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 242人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雨水無月(プロフ) - にゃんぱすさん» ありがとうございます！好きって言って頂けて嬉しいです！これからもよろしくお願いします！ (2018年12月31日 10時) (
レス) id: 6950f1f86c (このIDを非表示/違反報告)
にゃんぱす - この小説とても好きです (2018年12月30日 23時) (レス) id: ac528e5cb0 (このIDを非表示/違反報告)
雨水無月(プロフ) - みみんさん» つまったではなく、なじったですね。コメントありがとうございます！ (2018年12月23日 10時) (レス) id: 6950f1f86c (このIDを非表示/違反報告)
みみん - 「詰った」って「詰まった」じゃないんですか？ (2018年12月22日 23時) (レス) id: 8ad0049e30 (このIDを非表示/違反報告)
雨水無月(プロフ) - KAREN(´･ω･｀)さん» コメントありがとうございます！神小説だなんて、嬉しいです！！これからも更新頑張りますので、応援よろしくお願いします！ (2018年12月19日 19時) (レス) id: 6950f1f86c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雨水無月 | 作成日時：2018年8月11日 22時
