帰り道のヒーローは。2 ページ49
驚いたようにこちらを見上げるA。
実際俺自身も口から出た言葉に驚いている。
「何を抱えてるのかは知らないけどさ。少しでも、その何かを減らせたらって思う。」
「うん、もう十分伝わったから。」
照れたように顔を少し赤らめているAに、こちらまで照れてしまう。
「だから、ヒーローを諦めないでくれ。ヒーローを見限らないでくれ。俺が希望になるから。」
「わかったってば！」
それでも照れ臭くなるようなセリフは止まらず、最後まで言いたいことを言いきれた。
焦るAも初めて見れたし、結果オーライというやつだ。
「そういや、親と話したってやつ、結局どうなったんだ？」
「なんだかんだ普通科のままでいいってことになったよお。」
「なんだかんだが気になるんだけど.......。」
苦笑すると、Aは俺の頭に手を置いた。
少し背伸びしているところが、また可愛らしいところではある。
「あっは、でもまあ着実に手は伸びてきているよ。ヒーロー科からもね。」
わしゃわしゃっと頭を撫でられた。
何が可笑しいのかはわからないが、Aは確かに笑った。
「敵側に回ることを、恐れている。そういう目をいつも向けられる。」
急に真顔になって告げられた言葉は、やけに胸に刺さった。
「あははっ、手がベタベタだ。それより君、この方がいいよ。素の鋭児郎くんって感じで。」
前髪をいつの間にか下ろされていた。
昔の俺の髪型。
「私のヒーローになるんでしょう？だったら、私が好きな姿でいてよ。」
なんてわがままだ。
でも、不思議と悪い気はしない。
そういや、私って..............。
「わかったよ、できるだけ。約束する。」
これが俺達の、初めての約束。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 242人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雨水無月(プロフ) - にゃんぱすさん» ありがとうございます！好きって言って頂けて嬉しいです！これからもよろしくお願いします！ (2018年12月31日 10時) (
レス) id: 6950f1f86c (このIDを非表示/違反報告)
にゃんぱす - この小説とても好きです (2018年12月30日 23時) (レス) id: ac528e5cb0 (このIDを非表示/違反報告)
雨水無月(プロフ) - みみんさん» つまったではなく、なじったですね。コメントありがとうございます！ (2018年12月23日 10時) (レス) id: 6950f1f86c (このIDを非表示/違反報告)
みみん - 「詰った」って「詰まった」じゃないんですか？ (2018年12月22日 23時) (レス) id: 8ad0049e30 (このIDを非表示/違反報告)
雨水無月(プロフ) - KAREN(´･ω･｀)さん» コメントありがとうございます！神小説だなんて、嬉しいです！！これからも更新頑張りますので、応援よろしくお願いします！ (2018年12月19日 19時) (レス) id: 6950f1f86c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雨水無月 | 作成日時：2018年8月11日 22時
