秘密のヒーローは。 ページ45
ヒーロー殺し、ステインと戦った。
そのあと、俺はしばらく病院に。
療養中庭に出て、己の手のひらを見つめるといった日々が続いていたときだった。
「やあ。」
いつか聞いたような挨拶。
いや、前聞いた時よりも柔らかくなった気がする。
「見舞いに、きたよ。話を聞いてね。」
こんなことって、あっていいのか。
「.......ステインさんと、戦ってきたんだって？」
何があったのか、Aは見舞いに来てくれたのだ。嬉しい。
「嗚呼、それがどうした。」
「なんでもない、ステインさんは相変わらずだったのかなあと思ってねぇ。」
いまいち話に要領を得ない。
まず、ヒーロー殺しのことをさん付けしているのはなんでだ？
「Aも、ヒーロー殺しに、生かされたのか？」
そのまま核心をつくような質問を投げる。
すると、綺麗な顔が笑った。
「嗚呼、そうとも、僕も生かされた。君もだろう？」
頷く。
事実だった。
「また、会いに行かないといけないねぇ。」
「誰にだ。」
「敵連合に、さ。」
衝撃的な発言をされた。
まさか、Aは実は敵だったとか、そんな告白を今からされるのだろうか。
だったら、聞きたくないな。
「今回のことは敵連合が多分、関係している。」
Aはそう言った。
「それと僕、敵連合に前捕まったんだけど、逃げたんだよねぇ。それ以来関係は少し。」
「なん、だと。」
よかった、敵じゃなかった。
と、安堵したのもつかの間、関係を持っていたとは。
「敵につくつもりはないよ。」
「わかってる。」
「嘘、わかってない。」
見透かされたような視線に、ドキリとする。
実際、少し思ってしまっていた。
敵に、なるつもりなんじゃないかと。
「この話、秘密にしておいて欲しいんだけどもしもの時、もし僕が敵側についたときヒーローに話していいよ。」
だから、と続ける。
「だから、君だけが知っておいて。僕の過去も、秘密も。」
立ち去ろうとするA。
でもどうも引っかかる。
「待て。」
「何？」
「どうして、心操じゃなく俺なんだ？」
ずっと気になっていた。
Aのことを教えて貰った時からずっと。
「さあね、気まぐれかな。」
そう言ってAは笑った。
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雨水無月(プロフ) - にゃんぱすさん» ありがとうございます！好きって言って頂けて嬉しいです！これからもよろしくお願いします！ (2018年12月31日 10時) (
レス) id: 6950f1f86c (このIDを非表示/違反報告)
にゃんぱす - この小説とても好きです (2018年12月30日 23時) (レス) id: ac528e5cb0 (このIDを非表示/違反報告)
雨水無月(プロフ) - みみんさん» つまったではなく、なじったですね。コメントありがとうございます！ (2018年12月23日 10時) (レス) id: 6950f1f86c (このIDを非表示/違反報告)
みみん - 「詰った」って「詰まった」じゃないんですか？ (2018年12月22日 23時) (レス) id: 8ad0049e30 (このIDを非表示/違反報告)
雨水無月(プロフ) - KAREN(´･ω･｀)さん» コメントありがとうございます！神小説だなんて、嬉しいです！！これからも更新頑張りますので、応援よろしくお願いします！ (2018年12月19日 19時) (レス) id: 6950f1f86c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨水無月 | 作成日時：2018年8月11日 22時
