悪役ヒーローは。 ページ36
「なあ、話がしたい。」
Aとの戦いが終わった後で、控え室にいるAに声をかけた。
首をぐりんと後ろに曲げ、早く話せとでも言いたげな視線を俺に向ける。
「どうして、悪者のフリをしていた。」
何故こんなことを言ったのか、というとAの数々の発言が気になったからだ。
わざと俺がAを嫌いになる様な事ばかり言って。
「何のことか、さっぱりだよねぇ。」
「嘘つくな、あれはわざとだ。」
肩を少し揺らして、動揺した。
眉をひそめて、さも面倒臭そうに手をひらひらさせる。
「正直に言うと、だけれども。」
あっさりと口を割ったのは、意外だった。
「もしかしたら、いつか家族になるかもしれないでしょう？だったら、早いうちに嫌われといた方が、君のダメージが少ないかなって思ったの。」
美月と、結婚ってことか？
今はもうあれだが、なんというか嘘だな。
「嗚呼、でも今は、もうそうする必要は無い。」
「信じてないくせに。まあいいけど。」
目を細めて呆れたように息をつく。
「美月とは別れるつもりだ。」
「あれだけの話で？」
今度こそ驚いたように目を少し大きく開いた。
彼女のガラス玉のような瞳が揺れているのを、初めて見た。
「嗚呼、だからだ。」
肯定の言葉をかける。
「くだらないままごとみたいだねぇ。」
「そう言われても構わない。」
また、呆れた様に肩を竦める。
「.......君と、言葉遊びをしている暇くらいはあるから。」
そう言って去っていく背中は、試合の時よりも少し小さく見えた。
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抜けていたので挿入しました。
人使くん圧倒的人気ですね。
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雨水無月(プロフ) - にゃんぱすさん» ありがとうございます！好きって言って頂けて嬉しいです！これからもよろしくお願いします！ (2018年12月31日 10時) (
レス) id: 6950f1f86c (このIDを非表示/違反報告)
にゃんぱす - この小説とても好きです (2018年12月30日 23時) (レス) id: ac528e5cb0 (このIDを非表示/違反報告)
雨水無月(プロフ) - みみんさん» つまったではなく、なじったですね。コメントありがとうございます！ (2018年12月23日 10時) (レス) id: 6950f1f86c (このIDを非表示/違反報告)
みみん - 「詰った」って「詰まった」じゃないんですか？ (2018年12月22日 23時) (レス) id: 8ad0049e30 (このIDを非表示/違反報告)
雨水無月(プロフ) - KAREN(´･ω･｀)さん» コメントありがとうございます！神小説だなんて、嬉しいです！！これからも更新頑張りますので、応援よろしくお願いします！ (2018年12月19日 19時) (レス) id: 6950f1f86c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨水無月 | 作成日時：2018年8月11日 22時
